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June 24, 2015

バニー・レークは行方不明

以前にイマジカBSで放送してたのを録画しておいて、それを今になってやっとこさ全編通して見ることができました。
もともとは「2001年宇宙の旅」のボウマン船長を演じていたキア・デュリア(本当はキア・デューレイと発音するらしい)が出演していたということを以前に聞いていて、見てみたいとは思っていたけどソフト化もされず見る機会がなかったのだがたまたまイマジカBS見ていたら放映していたので録画しておいたもの。
監督がオットー・プレミンジャーということは後から知った。
彼が監督だと現場の厳しさが並じゃなかったという話で、日本だと鈴木英夫みたいなもんか。

原題:Bunny Lake is Missing
1965年イギリス

ある日のロンドン。
アメリカから引っ越してきたアン・レーク(キャロル・リンレー)は引っ越してきたその最初の日に保育園に娘のバニーを預けた。
ところが、その日の午後に彼女が娘を迎えに来てみると娘のバニーことフェリシア(スーキー・アップルビー)はどこにもいない。保育園の誰に聞いても、そんな子は知らないというばかり。
アンは兄のスティーブン(キア・デュリア)に連絡をとり、警察にも届け出る。
担当のニューハウス警視(ローレンス・オリヴィエ)は早速捜査を開始。
アンによればその日は保育園に預けた初日で、調理担当の女性に預けて「初めての日の部屋」にバニーを連れて行ってもらっていたはずなのにその女性がいない。保育士の先生もバニーを知らない。ニューハウスはアンの言動に疑いを持つ。
とりあえず自宅に戻ったアン。なんだけど怪しげな大家のウィルソン(ノエル・カワード)に言い寄られたりしてテンパり加減はさらに高まる。
そして気づいたのは、自宅からバニーの服もおもちゃも、とにかくバニーの存在を証明するものがすべてなくなっていること。
なぜ?とアンは慄然とする。
一方でニューハウス警視は真面目に捜査を続行。アンのフラットも訪れ現場検証し、スティーブンからアンとバニーが船に乗ってロンドンにやってきたのがいつだったかを聞き、アンにも確認。
ニューハウスの、アンにとってバニーは妄想の産物だったのかという疑問はさらに深まる。
でも憔悴しているアンの様子を見かねたニューハウスは彼女をパブに連れて行き、軽い食事をとらせる。
その場にやってきたスティーブン、ニューハウスにくってかかる。
ニューハウスは「家に帰る」とか言っときながら船会社に行き乗客を確認。スティーブンの記憶をもとに船が着いた日を確かめると、その日にアメリカから着いた船はない。やはりバニーは存在しないのか?
だが、そこでスティーブンの話とアンの記憶とで到着した日が1日異なることに気付く。アンの記憶をたよりに一日前の記録を確認してみると、その日にはアメリカからの到着便があった!

一方でいったんスティーブンの家に戻ったアンはバニーの人形を修理に出していたことを思い出し、えらい気味の悪い人形屋さん(フィンレイ・カリー)のもとへ行くと確かにバニーの人形があった。これでバニーの存在を証明できる!と思ったらなぜかそこに現れたスティーブンに人形を燃やされ、さらに気絶させられたアンは精神病院に入院させられてしまう。
なんとか病院を脱出したアンはロンドンに来てすぐにいた家に向かうと、そこにいたのはスティーブン。彼の車のトランクにバニーは隠されていた。スティーブンはバニーを殺して埋めてしまおうとしていたのだった。
何とかバニーを助け出したアンはスティーブンと対峙することに。
アンとスティーブンは、はっきり言って兄妹の間柄がえらいゆがんでたのですな。
アンのことを独占したかったスティーブンにとってはバニーの存在は邪魔なので、バニーのことをなかったことにしてしまおうとしていたのでありました。アンはそのことを何となーく感じてはいたけど、それがほとんど今回は狂気レベルだということを知ってバニーを何とか守ろうとする。なのでスティーブンと昔のように遊んでひたすらバニーから気をそらし、必死に時間稼ぎをするアン。
そこにニューハウス警視らが到着、スティーブンを取り押さえ事件は解決するのでありました。


でてくるキャラクターが変な人ばっかなんで、少しは主人公もまともなのかと思ったら実は変な人である部分もありというのが面白いところ。
何と言っても一番変なひとだった兄のスティーブンを演じてたキア・デュリアはこの後に出演した「2001年宇宙の旅」のボウマン船長役で多くの人々に記憶されているはず。で、この作品では妹に対してゆがんだ愛情をもち妹を独占しようとする変な人を熱演してるんだけど、そのタッチがえらくさらっとしてるのでかえって変な人っぷりがリアルな感じ。
アンに言い寄る変な大家ウィルソン役のノエル・カワードもこの作品ではけっこうな熱演。「ミニミニ大作戦」のブリッジャー役みたいなのがこの人にはぴったりだとは思うけどな。アンに言い寄ったあと、その場に現れたニューハウスたちに追い出されてしまうけど、そのまま監視についた刑事たちに独演会をするくだりがまた妙な感じ。
妙な独演会といえばもう一人、マーティタ・ハントが演じていた保育園のオーナー、アダ・フォードも変な登場人物。自身の部屋の中で一人芝居をするこのフォードさんというキャラクターを、これまたさらっと演じている。この人、トニー賞も受賞してる実力派だったんだね。
変な人のトリを飾るのは人形屋のフィンレイ・カリー。普通ならこんな人形屋には行きたくないのが普通だと思うよ。人形についてアツく語るこの(「タモリ倶楽部」出てきそうな)キャラクターは強い印象が残る。調べてみたらマーティタ・ハントとフィンレイ・カリーはデヴィッド・リーンの「大いなる遺産」で共演してんのね。
キャロル・リンレーはこれらの役者陣にくらべるとイマイチ押し出しが弱いのは仕方ないか。でも、物語のクライマックスで必死になってキア・デュリアとブランコで遊ぶ姿は何となく応援したくなった。でも、こんな自分の兄のことを変だとは思わないまま大人になってしまったこのアン・レークは天然ボケ的に変な人だぞ。そんなキャラクターを素直に演じてしまったので、いまひとつこのアンが目立たないんだな。でも面白い映画だったということは間違いない。
何とか、せめてDVDにしてくださいな。

あと、蛇足で

劇中登場する保育園でのおやつで、ニューハウス警視が「これ好きなんです」と言っていたのがジャンケットなる食べ物。
調べてみたら、洋風の牛乳豆腐みたいなのらしいですな。どんなものか実際に見てみたい。

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