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November 13, 2013

女の防波堤

チャンネルNECOで今月は新東宝リクエスト特集なんだそうで

ラインアップは「俺は都会の山男」「女の防波堤」「波止場の王者」の3本。

なかなか良いラインアップであります。
なんつっても大倉貢カラーはじけてそうなのが「女の防波堤」

物語は、太平洋戦争の終戦後に実在したRAA(特殊慰安施設協会)にまつわるんだかまつわってないんだかのお話。
空襲で住む家を失った主人公、田口ふみ子(小畠絹子)は友人の藤井由子(荒川さつき)の家に身を寄せてたら佳子のおじさん(広瀬康治)に寝込みを襲われ手込めにされそうになって、外に逃げ出したらその辺のチンピラに襲われる、で、ピンチのところをパン屋の男に助けられる。一方でふみ子を追って外に捜しに出た由子もまたチンピラさんたちに襲われてこっちは手込めにされちゃう。
ふみ子はパン屋のとこに身を寄せるんだけど彼の妻が戻ってきて、追い出されてしまい仕方なしに慰安所のスペシャル女性募集に応募、ここで由子と再会する。

ふみ子は隣室の清子(筑紫あけみ)と親しくなるけど清子は開業初日の晩に飛び込み自殺。いきなりナンバーワンのふみ子はこんなとこイヤだって特殊慰安協会事務局に直訴。応対してくれた林(細川俊夫)といきなりデキて銀座のクラブ歌手に転職してここでもいきなりナンバーワン。
ところが細川俊夫にはこのクラブのホステスの朱美(万里昌代)という女がいて、料亭でいちゃついてるとこを万里昌代が急襲。愛想つかした小畠絹子は由子のところに身を寄せようとしたけど見つからない。
訪ねていったクラブでそこのスペシャルガールズさんたちとケンカしてボコられてたとこをアメリカ空軍のブラウン少尉(ジェームス・ヒューズ)に助けられて、連れてってもらったクラブで春江(城美穂)が面倒みてあげることに。クラブで働くふみ子はブラウンとそのままラブラブになって結婚してめでたく子供をさずかります。このお祝いになぜかやってくる細川俊夫。課長はクビになったんで新しく自分で仕事するんだと。
だけど幸せは続かない。ブラウン少尉は朝鮮戦争で戦死。残されたふみ子=小畠絹子は生んだばかりの子供と嘆き悲しみます。

子どもを里子に出してそのままクラブでホステスやってた小畠絹子はコントに出てくるキャラみたいな顔の麻薬の売人の杉田(鮎川浩)の女になります。
舞台はいきなり二年後の横浜。小畠絹子はイカサマくさいルーレットの片棒かついでるのですが売人鮎川のおかげで軽度のヤク中(ヒロポン中毒)になりますが、この組織の実態を警察にバラそうとしたユリ(三原葉子)がリンチされている姿を見て「このままじゃいけない」と一念発起。ほとんど瀕死の三原葉子を連れて逃亡をはかります。
だけどそううまくいかないのが(この映画の)世の常。ジープで追われた結果、三原葉子はひき殺されてしまい小畠絹子も大ピンチ。だけどジープを降りて追ってきた鮎川浩、通りかかったトラックに轢かれてあえなく絶命。
同じくたまたまお客さんの車に乗っていた由子=荒川さつきが通りかかり、彼女のおかげで小畠絹子は入院させてもらいます。
ここで主治医の坂田(三村俊夫)に速攻で一目ぼれされた小畠絹子、あっという間に結婚。
熱海で新婚初夜を迎えたはいいが「君は出産の経験があるし男性経験も多いじゃないかッ!だましたな!僕も好きにさせてもらう!」なんて宣言されてしまい、三村俊夫はしっかりと浮気に走る。
その現場を見た小畠絹子はショックで家を飛び出し、たまたま乗ったイケメンのタクシーの運ちゃん深井(長田健二)と行きずりの恋もしてしまいます。あくる日の彼の書置きには「御用のときはいつでも呼んでください」などと書いてあって、本業を忘れないタクシー運転手(^_^;)

堕ちていく小畠絹子、とうとう有楽町当たりのガード下で立ちんぼの街娼になってしまう。
でもこれも長くは続かない(いや、雪のシーンもあるから長いのか?)ここまで苦楽を共にしてきた荒川さつきが脳梅毒で(劇中ではノーバイって、略して病名を語ってるのがリアルな感じである)狂い死にしてしまう。あまりに恐ろしいその様子のせいか、あるいは友人を失ったあまりに深い悲しみゆえか小畠絹子は街娼を廃業することを決意。大磯のサンダースホームにいると知った、自分の娘を守る防波堤になるんだとやっと前向きに人生をとらえることになりました。早く気づけよ。
有楽町当たりにも細川俊夫がやってきて小畠絹子を捜すけど、それはもう辞めた後だったのだった。

ふみ子がサンダースホームに娘を迎えに行ったら、「娘さんは林さんと浜に遊びに行きましたよ」と女性職員。
現代では考えられないほどゆるいセキュリティに驚くが、まぁそれはともかく行ってみるとそこにはうらぶれた林=細川俊夫と遊ぶ娘の姿がありました。
「ひとめ、君に会っておわびすれば気が済んだんだ」
(抱き上げた娘をふみ子に返して)「君にはこんな希望が残ってるんだ。じゃ、さよなら」
去ろうとする細川俊夫を呼び止める小畠絹子はともに強く生きていこうと告げるのでした。


とにかくジェットコースターな物語の展開の速さにびっくり。おかげでぜんぜん飽きないで見られる。
個人的には最初に細川俊夫が小畠絹子に会って事務所で話を聞いてる時の、いかにも下心ありますよ!という味わいの目線の演技に笑った。
あとは荒川さつきの狂い死にしていくとんでもない様子のカルトな演技が印象に残る。
時代を考えると実際に脳梅毒で死んじゃった人の姿も伝わってるだろうし、変にこの演技がリアルなのである。
これのせいでこの映画は一部でカルトな扱いされてんだろうなと実感。

あとは、物語の最期で「私たちみんな戦争の犠牲になったんだわ。二度と戦争をしてはいけない」なんて小畠絹子が語るけど、それはちょっと(^_^;)この場合は個人の意識の問題ではないかと。

慰安所とかバーとかクラブとかが舞台なので、とにかく女性のキャストが多いので誰が誰だかわかんないとこが多いです。ましてこちとら新東宝歴が浅いし(;O;)これがちょっとくやしい。由子の死ぬあたりで同僚の街娼のお姉さんに好みのタイプの女優さんいたけど、これが誰なのかわからん。
いずれにしろ新東宝の女優って自分的には好みのタイプが多いんで、見てると楽しめるのが嬉しい。

自分の好みはどうもちょっとポンコツな美人らしいと自覚を深めた一本でありました。

 女の防波堤 1958年新東宝
 監督 小森白
 原作 田中貴美子
 音楽 古賀政男
 脚色 小山一夫、村山俊郎

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