« 女の防波堤 | Main | 女競輪王(無敵の前田通子) »

November 21, 2013

俺は都会の山男(暴れん坊吉田輝雄大活躍)

 チャンネルNECOの新東宝リクエスト特集のトップで放映されていたのだが、まぁたぶんスカッとポテンヒットレベルの、新東宝らしいビミョーに看板倒れの代物だろうなぁと、見る前には考えておりました。

 タイトルだけ見ると、田舎から出てきたさわやかーな青年が巻き起こす青春コメディなのかと思って見たのだが、のっけからえらいモダンなタイトルバックで少し読みが外れた。もっとクールな都会的な話なのかと期待してみたら、実際にはとにかくアップテンポのドタバタという驚きの活劇映画。

 主人公・朝比奈七郎(吉田輝雄)は直情径行のアツい男。恋人の山代美弥子(三条魔子)が勤務する五井産業の会長・五井五左衛門(小川虎之助)の孫娘・五井ルリ子(万里昌代)が友人ということもあって美弥子の口利きで五井産業の採用試験を受けるんだけど、三次面接の順番待ちでグースカ寝てる始末。ルリ子が会長に友だちの恋人だからということで採用を頼んでおいてOKもとってありながら、七郎は面接で浅川人事部長(大原譲二)とケンカして席を立ってしまう。直情径行すぎる男である。
会社を飛び出したところで南一平(浅見比呂志)にぶつかって、実はそのとき何かをこっそりふところに入れられていた。
追っていた刑事(国方伝)につかまれて、それを振り払って通りかかった白タクの宮本ミキ(星輝美)の運転する車に乗り込んで逃亡する吉田輝雄、アツくなりすぎてスピード違反してしまいます。そのスピードに悶える星輝美はすっかり吉田輝雄にシビれてしまいます。
あっさり白バイに止められ、スピード違反で即刻裁判。担当判事は由利徹で、書記が南利明。二人でアホなかけあいやってるうちにあれよあれよと罰金が確定。でも吉田輝雄の持ってた財布は浅見比呂志がねじ込んでたシロモノで他人の財布だってのにそこから罰金をむjりやり取るくだりは由利徹と南利明のコント。
解放された吉田輝雄を出迎えた浅見比呂志がスッた、その財布の持ち主はユニオン興業の社長・荒川寅吉(沢井三郎)。そりゃ簡単に勘弁してもらえない。
沢井三郎は子分のザギンの政(新宮寺寛)に命じて誤りに行った吉田・浅見コンビをぶちのめさせようとしたら、やってきたのが社長の女・春千代(橘恵子)。彼女に気に入られたおかげで二人は後日お金を返すからということで無事に脱出。
 浅見比呂志の口利きでスナックのバーテンに就職する吉田輝雄。ここでもママ(宮田文子)にモテモテ。しかし、平穏には過ごせない。店のある場所に東京オリンピックを見越してホテルを建てようとしている五井産業の地上げを依頼されていたユニオン興業の政らがやってきますが、これをまた素手ゴロでたたき出してしまいます。おかげでまた警察の世話になることに。とにかく短気ですぐ手がでるんだもんなぁ、吉田輝雄。ちなみに五井産業の社長・亀谷は中村虎彦が演じています。
 性格破綻してるかもしれない吉田輝雄は同棲してた恋人の三条魔子に追い出されてしまう。これがまた小さいリヤカー一台に荷物をまとめて路頭に迷ってるところを、浅見比呂志に待ち伏せされ彼の住む部屋に転がり込むことが決定。でも部屋まで着く途中に通りかかった満腹ホールなる食堂でもめごとに遭遇、吉田輝雄は主人の三遊亭小金馬にからむチンピラ二人をぶちのめし退散させてしまいます。そのお礼をちゃっかりいただく浅見比呂志。
このくだりで登場するのが当時の人気者「お笑い三人組」。小金馬に先代の江戸家猫八に保険外交員の一柳斎貞鳳と三人そろってこのドタバタで活躍。おまけにいるのが音羽美子ときっちりそろってる。そこにやってくる交通課のお巡りさんが木田三千雄で、これまた持ちネタをハジケさせるというあんばい。
このドタバタで吉田輝雄は家財道具を江戸家猫八に持ってかれてしまい、ほんとに裸一貫状態。満腹ホールでの拳にものをいわせてのもめごと処理で浅見比呂志が思いついたのが「喧嘩商会」。つまりはもめごとを吉田輝雄の腕っぷしにものをいわせて処理してそのお礼に金をせしめるという商売を始めます。浅見比呂志の部屋は質屋の二階で、この質屋のあるじ赤倉が山村邦子でここでもまた吉田輝雄は気に入られる。モテモテ。
銀座にある「週刊天国」にやってきた愚連隊をぶちのめして退散させてオネエ編集長の中川(川部修路)と記者の町田エリ(高城美佐)によって記事にされ、これで一気に喧嘩商会は有名に。暴れる吉田輝雄に高城美佐も惚れてまう。おまけネタで、「週刊天国」の表紙は三ツ矢歌子。監督が小野田嘉幹なんだもの。
記事になったことからテレビにも出演し(番組のコメンテーターがコロムビアトップ、司会者がコロムビアライト)吉田輝雄のイケメンぶりも手伝って喧嘩商会は大ブレイク。これまで吉田輝雄に関わった女性たちはずーっとまとわりついてプライベートなどありゃしません。そんな中でも三条魔子は吉田輝雄を忘れられず、こそっと短い逢瀬などかましてしまいます。
 一方で、居座る店子のところに行って暴れるたびに喧嘩商会に叩き出されるユニオン興業は五井産業から見切りをつけられ、店子を追い出す仕事は大日本殉国党にスイッチ。沢井三郎と新宮寺寛も殉国党に加わり、喧嘩商会は日本殉国党の幹部・小松川三次(並木一路)に懐柔されそうになる、が、これも失敗。
作戦変更して殉国党一味は喧嘩商会が恐喝していることをでっちあげ警察に捕まえさせます。
喧嘩商会がいない間に殉国党地上げ部隊は大暴れ。みんなの用心棒で、女にモテモテの吉田輝雄を保釈させよう!ということで女性陣が貯金をおろすやら何やらして保釈金をあっという間にがっつり揃え、保釈された吉田輝雄は他の女を出し抜いた山村邦子が閉じ込めてしまいます。
 当然のごとくほかの女たちからは突き上げられてしまうわけで、そこに春千代=橘恵子が駆け込んでくる。殉国党の酒宴に混ざっていた春千代、明日とうとう殉国党が総攻撃をかけてくるという情報をもってきます。この対抗兵器としてさっさと吉田輝雄を外に出すべく彼女らが揉めてるスキに吉田輝雄は浅見比呂志の手引きで脱走。しかしその条件に三条魔子に会うことになりここでもまたプチデート。そこに殉国党一味が現れてまた乱闘。
やはり無敵の吉田輝雄はエモノ持ってる殉国党にも負けません。浅見比呂志が機転をきかせて火災報知器を鳴らし、消防車のサイレンを警察と勘違いした殉国党は退散。
 たまたまそこにデモ隊が通りかかったことで浅見比呂志は一計を案じます。
 そして翌日、殉国党が総攻撃にやってくるんだけどここで浅見比呂志が誘導するデモ隊登場。
殉国党はデモ隊と大乱闘。そして吉田輝雄は殉国党首脳陣の乗ったトラックを乗っ取り、彼らをよその場所でボコボコにしてしまい殉国党をやっつけてしまうのでした。
 そんな地上げをやっていたとは知らなかった(ホントか?)五井会長は社長と人事部長をクビにして吉田輝雄に入社してほしいと頼みますが吉田輝雄は却下。喧嘩商会もやめてどこかへ行こうとその場から逃走しますがそれを追う人事部長・彼にメロメロの女たち・など。それでも追い付いた三条魔子と吉田輝雄は二人、手を取り合っていずこかへと銀座の街を走り抜けていくのであった。

 とにかくテンポが速い、というか詰め込みすぎな感じ。沢井三郎と新宮寺寛がちょこちょこかます小ネタはまだしも、お笑い三人組のコントにコロムビアトップ・ライトの漫才に木田三千雄のネタ、そして谷村昌彦と桜京美のハイテーン(どういう意味だ)夫婦のコント、そしてそこらじゅうで拳をふるう吉田輝雄。せめて丹波哲郎でも使って吉田輝雄のライバル的キャラでも置いておけば物語の本筋も見えやすかろうになぁ。
それにしても吉田輝雄がモテモテなのだがこんな短気でケンカ早いやつってそんなに需要があるのだろうか。ある意味ものすごい吉田輝雄演ずる朝比奈は頭の中身が心配になる。他にも変なキャラばっかで、スピードに悶える星輝美に高城美佐の昔の青春ドラマによくいた文学少女みたいな変な女子とか、ちょっと力の入りすぎた喜劇になっちゃった。とにかく吉田輝雄が単なる暴れん坊なんで、見ててあまりスカッと爽快な感じがしないんだよなぁ。山男ってそんなに短気な奴じゃないと思うし。まぁ、あれよあれよという間に進む物語がそれをカバーしてる気はする。
 タイトルバックはカッコいいと正直思います。宅孝二の音楽はけっこうカッコいいので、都会的なセンスは十分。出演者も多いし仕出しも多いし、新東宝だからってビンボ臭い作品というわけではないことに感心してしまった。

 今回、この記事をアップするのに困ったのがキャストの名前がよくわからないこと。
映画.comとかのキャスト表はあてにならんし(沢井三郎の名前がないのが驚き)自身の勉強不足もあって殉国党幹部の並木一路にいつもくっついてる若手党員の九州なまりの男(これがたぶん結城孫六=宇田勝哉だと思う)と殉国党総裁の配役が誰なのか、結局わからないままだった。
このへんは後日改めて調べ直してアップし直すことにします。

俺は都会の山男 1961年新東宝
 監督 小野田嘉幹
 音楽 宅孝二

|

« 女の防波堤 | Main | 女競輪王(無敵の前田通子) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 俺は都会の山男(暴れん坊吉田輝雄大活躍):

« 女の防波堤 | Main | 女競輪王(無敵の前田通子) »