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July 16, 2008

ゴールドフィンガー

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007シリーズは偉大である。
とにかく世界的に影響が大きいのだなぁ、と、先日みなもと太郎が監修した手塚治虫の作品集「手塚治虫WORLD これがホントの最終回だ!少年マンガ編」読んでしみじみ思った。とにかく悪の秘密組織と戦うエージェントみたいなヒーロー像がこの時期の少年マンガには多く描かれているのだけど、そのひな型はまちがいなくジェームズ・ボンドなんだもの。特殊装備の数々を武器にする発想は「ロシアより愛をこめて」のアタッシェと「ゴールドフィンガー」のアストンマーチンDB5から出ている。「電撃フリント」みたいな類似品も多く作られているのはいいとしても、はるか日本の少年マンガにも多大に影響を与え、それらを読んで育ったわしらのような世代にはやはり007は偉大な映画シリーズなのである。
やっぱりこの特殊装備のアストンマーチンDB5が登場する「ゴールドフィンガー」はインパクトが強かった。小学館の化学図鑑みたいな読み物でも紹介されていたくらいだったし。でも、なかなか見ることはかなわず、結局初めて見たのはテレビの「月曜ロードショー」でだったと記憶しているが、やっぱアストンマーチンは感動ものだったなぁ。

今にして思うと、「何のための装備なの?」と思うところもあるけど。

そんなことはともかく、この「ゴールドフィンガー」は後々のシリーズのひな型になった、そういう意味でも重要だぞ。
今回もきちんとソフトを買ったけど、007シリーズの場合はおまけが面白いのでありがたい。出演者のインタビューで構成されたメイキングはかなり面白かったよ。
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ゴールドフィンガー GOLDFINGER
1964年英 
監督 ガイ・ハミルトン
製作 アルバート・R・ブロッコリ、ハリー・サルツマン
音楽 ジョン・バリー
美術 ケン・アダム
主題歌 シャーリー・バッシー

まぁ、いまさら物語をまじめに辿ってもしかたないのでテキトーに
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メキシコでの任務を成功させた007・ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は続く任務としてイギリスの実業家、オーリック・ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)の監視を命じられマイアミにて休暇がてらテキトーにフェリックス・ライター(セック・リンダー)とともに遂行しておったが、ゴールドフィンガーがカードのイカサマをやっていることに気付いたことから調子に乗って彼の泊まる部屋に乗り込み、イカサマの片棒かついでいた秘書のジル・マスターソン(シャーリー・イートン)をたらしこんでゴールドフィンガーを負けさせてしまう。
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その夜、ボンドが部屋でジルとイイことしてたところ何者かが侵入、ボンドが気を失っている間にジルは全身に金粉を塗られて絶命していた。実行犯はゴールドフィンガーの用心棒、オッド・ジョブ(ハロルド坂田
本国に戻ったボンドはM(バーナード・リー)から叱責され、今回の任務を正式に伝えられる。ゴールドフィンガーはかなりの量の金塊を保有しているが、その金塊をなぜかイギリス国内から不法に海外に持ち出している。その目的である「グランドスラム計画」を探り出すことが任務。マネペニー(ロイス・マクスウェル)にいつもどおりに送り出され、Q(デズモンド・リュウェリン)から今回のスベシャルガジェット、アストンマーチンDB5を受け取り改めてゴールドフィンガーに接近。イカサマゴルフに勝利して彼をへこませる。Goldfinger11_2
自分の会社のあるスイスに車ごと移動したゴールドフィンガーを追うボンドを謎の美女が追い越していく。彼女はティリー・マスターソン(タニア・マレット)姉のジルを殺されたことで、ゴールドフィンガーへの復讐を果たそうとしていたが失敗。ゴールドフィンガーの工場に侵入し、車の外装を溶かして金を取り出していたことを突き止めたボンドとともに逃げ回ったがオッド・ジョブに殺されてしまう。ボンドはさらに逃亡しようとして失敗し捕らわれる。
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殺されそうになるボンドだったが何とかグランドスラム計画をダシに助けられ、プッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)の操縦する飛行機でケンタッキーまで連れて行かれる。牧場の中に監禁されたボンドだったが部屋から脱走し、グランドスラム計画についてゴールドフィンガーが説明する部屋の下に侵入、計画の全貌を知る。彼はフォートノックスに貯蔵されている金を放射能で汚染し、金の相場をつり上げて自身の保有する金の価格を上昇させ莫大な利益を得ようとするものだった。
見つかって連れ戻されるボンドだったが、ガロアを何とか説得しようとしてまたまたガロアとラブラブに。エッチなやっちゃ。
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いよいよグランドスラム計画決行の日。計画は成功したかに見えたが、実はガロアが裏切っていて土壇場でゴールドフィンガーの計画は台無しになる。金の貯蔵室に核爆弾とともに置き去りにされたボンドはオッド・ジョブと激闘の末に彼を倒し、核爆弾の時限装置をギリギリで停止させることに成功。
アメリカ大統領に招待されたボンドだったが、乗った飛行機には逃亡したゴールドフィンガーが乗り込んでいた。ボンドを倒そうとするゴールドフィンガーだったが、発砲した機関銃の弾丸で飛行機の窓が割れ彼は空に吸い出されてしまう。
一方のボンドとガロアは無事パラシュートで降下に成功、またイチャイチャするのでありました。


いつもだけど007シリーズのDVDはおまけが充実してて、本編よりも自分的にはこっちの特典のほうが面白かった。メイキングのインタビューではまずガイ・ハミルトンが演出のポイントを語っているが、
「まずは本編とは関係ないエピソードで笑いをとり、こっちのほうに観客を引き込むんだ」との話。
これって、「寅さん」のイントロダクションの夢オチと同じじゃないか。長寿シリーズのキモは相通じていたのだと知った一瞬だった。いきなりカモのかぶりものをして現れるボンドは確かにとぼけている。現場もとぼけてて、今回ゴールドフィンガーを演じたゲルト・フレーベは実は英語がさっぱり話せなかった。最初にエージェントに確認したら「英語は問題ない」という話だったのに、実はダメだったんで大変だった。現場で彼の下手な英語に合わせて台詞を出すときに、共演者は笑いをこらえるのに大変だったらしい。完成本編ではマイケル・コリンズにより吹き替えられた。
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他にいろいろと笑えるかもしれんのは、最初のマイアミでのボンドとゴールドフィンガーの登場シーンは明らかにセットでの撮影という、演じている本人たちには気の毒なのがバレバレなところとかゴールドフィンガーの手下が東洋系の野郎ばかりという点とか。自家用機のアテンドもアジアンだってのは、好みの問題なのか?ゴールドフィンガーがアメリカのギャング相手にグランドスラム計画を説明してるけど、そのためにあんな大掛かりな部屋が要りようなのかなぁ?
そういえば、ゲルト・フレーベは「忘れ得ぬ慕情」で岸恵子とかと日本で共演していたぞ。この作品もソフト化してほしい。ジャン・マレーとかダニエル・ダリューも出演している、イブ・シャンピ監督の作品。
ゲルト・フレーベはすごい人格者だったそうで、ナチ党員資格を隠れみのに大戦中ユダヤ人の救済活動をしていたという話を聞いたけど、結構な本数でドイツ軍人を演じていたことを考えると心中複雑なものもあったかもしれんなぁ

最初の「ドクター・ノォ」は制作費90万ドルの低予算だったが、これが「ロシアより愛をこめて」が大ヒットしたことから第3作「ゴールドフィンガー」は一気に300万ドルまで予算が増えた。この結果、小道具などに予算を回すのが楽になったことからスペシャル・ガジェットとして車を改造することになり、アストンマーチンにオファーしたところOKとなり作られたのがこのDB5カスタム。
Aston_martin_db5trunk
アストンマーチンは正式にはアストンマーチン・ラゴンダ社というそうで、1959年のル・マン24時間で優勝し英国車で初めてワールドスポーツカーチャンピオンシップを獲得したことからスポーツカーのメーカーとしてネームバリューが高かった。オリジナルの設定ではボンドの愛車はベントレーで、本作でも会話に出てくるが「あれは引退だ」とQに切って捨てられちゃってる。4リッター直6エンジンで282bhp/5500rpm、288lbs-ft/3850rpmと高性能。
Aston_martin_db5machine_gun
で、登場したDB5はフロントおよびサイドウィンドウは防弾ガラス装備、前部ウィンカーに2丁の機関銃を内蔵、ホイルからは併走する車を破壊するカッターが伸びて出てくるし後部には防弾板、テールランプからはオイルを噴出させ煙幕も張れる。ナンバープレートもスイッチ一つで切り替え可能で車内には発信機を追尾するレーダーを装備し、一番の目玉は助手席の射出装置。「サンダーボール作戦」で登場したときには高圧放水までやっていた。
Aston_martin_db5phone
映像特典で初めて知ったのは、実はこれ以外の装備があること。本編では使われなかったが電話も載っていたし、バンパーが伸縮し、座席の下には武器を収納していた。

で、その実際はというとナンバープレートの回転機能は実際に使えたけど前面の機関銃は寸法的に入らなかったので圧縮空気で発射しているように見える仕掛けだけだった。防弾版とオイル噴射も実際に使用可能だったけどこの二つは一緒にはトランク内に収まらなかったので、撮影現場でこの二つを入れ替えしながら使った。ホイルから伸びるカッターは全くの別撮りで機能はなし。これって、ああいう状況になると確信して装備していたとしか思えない装備なんだけどな~。座席の射出装置も本当使えたけど、さすがに人が乗っている状態での発射はムリだったとのこと。でも、実際に使える装備が結構あるのには驚いた。「私を愛したスパイ」で出てくるロータスエスプリなんてまさに特撮で実際には使えない車だったことを考えると、これはすばらしい。えらいぞアストンマーチン。
このギミックのおかげでDB5は大人気。本作の撮影用に2台改造され(正確にはアップ撮影などで使うためのギミックに凝ったのを1台とスタント用でそんな大掛かりな改装をしていないのを1台)撮影終了後にプロモーションにも使われたものがさらに2台あった。アップの撮影に使われた、仕掛けに凝ったほう(通称"star")は1968年に擬装を外され、普通の中古車として売却されたけど実はこの車DB4の改造型だそうで、サイドエンブレムなどがDB5とは微妙に異なる。車の素性を知っていたバイヤーが手に入れた後に再度改造してギミックを施し、コレクターの元を転々としていたが1997年に盗難に遭い、いまだ行方不明。シャシ番号はDP/216/1

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スタントに使われたのは本当のDB5で、劇中ハードに乗られていたもの。現在コレクターが所有。イオンプロダクションで所有しPRに使われた2台のうち1台は2006年にオークションで210万ドルで落札され、スモーキーマウンテン自動車博物館に展示。もう1台はオランダの博物館で所有しているそうな。
通常のクーペボディは886台製造されたけど、こんだけ映画で人気が出たことを考えるとちょっと少ないような気もする。後のシリーズでも登場してるし。

この次作が「二度死ぬ」なんだけど、ここで登場するのが我らが日本代表のトヨタ2000GTオープンカー。でも、考えてみるとDB5が4リッターエンジンなのに2000GTはその名の通り2リッター、282英国馬力に対して150馬力と悔しいほどの性能差。ル・マンでの優勝は日本メーカーでは1991年のマツダで、アストンマーチンは1959年。その差は32年。
バックボーンの差が大きいことを実感してしまう。しかもマツダの後には日本勢の優勝がない。F1でも、ホンダの参戦が1964年から始まりホンダエンジンがウィリアムズに供給されてタイトルを獲るまでが27年かかった。

モータリゼーションの伝統と格式の差がしみじみ感じられるなぁ。
エンツォとかブガッティからチンクチェントとかのミニカーまで、間口の広さでも差がある。自動車の文化という点で考えると面白い気もします。
FIAがアジアンに意地悪なのは面白くないけど。

Corgi_db5
もし次に日本で007を撮るとして(「赤い刺青の男」は日本が舞台)ボンドカーには何がいいか?と考えると現状ではGT-Rくらいになってしまうかな?それもちょっとつまんないけど、あとはLF-AとかNSXぐらいが間に合うか。ジミに行動するはずのスパイが高級スポーツカー乗り回すはずはないんだけど。

個人的には、それでもやっぱりトヨタ2000GT、買えるなら欲しいっす。
トヨ2はやはり、日本の自動車の宝だ。

ヤマハ2000GTという人もいるけれど。

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Comments

更新おつかれさまです。

総統の初ゴールドフィンガーは
小学生の時の月曜ロードショーでした。

フォートノックスの金塊を原爆で汚染し金の相場を
吊り上げるという悪だくみは、子供でも納得できる
ナイスな作戦だと思ったものです。

ハロルド坂田の危ない帽子が気に入り、よく
学帽を回転させ、友達にぶつけて遊びました。
似た感じで、怒り狂ったロボット刑事のまねで
学生服をグルグルまわして放り投げるネタも
ありました。どちらにしてもオカンには迷惑を
かけました。

とにかく、007シリーズは男子のメカ心をくすぐる
「萌え」がありました。しかし最近のはあまり見て
おりません。「エロス」と「メカ」があるという
非常によいシリーズなのですが、なぜかあまり見る気が
起きないのはなぜなンでしょうか。何か重要な
要素が昔のシリーズと違ってしまってるんでしょうか?
少し考えてみます。

Posted by: ガットラー総統 | July 17, 2008 at 03:02 AM

総統、コメントありがとうございます。

ハロルド坂田の帽子投げは小生もマネして遊んでました(笑)
あの当時の月曜ロードショーは、見た次の日にはいろいろと
「ごっこ遊び」していましたねぇ。

小生も最近の007シリーズには魅力を感じていません。
以前のシリーズに感じられた、ウィットとでもいうのか
洒落た感覚がどうも近年のシリーズにはないように思います。
このDB5がまだ近作に出てくるという点を考えても、小道具の
メカとしてはいまだにこの車を超えられないでいるのを作り手では
あきらめて肯定しているような気がします。

Posted by: 最上屋 | July 17, 2008 at 01:55 PM

ウィットが無い。そうですね、なんか殺伐として
いるような感じですかねえ。

やはりというか当然というか、
製作された時代性がでているのでしょうか。
万博前のイケイケの雰囲気で、まだ公害問題も
オイルショックも経験していない日本で作られた
初代ウルトラマンの世界観もこの頃の007シリーズと
似ているような気がします。

無限に向上するであろう科学技術と、
ピカピカの未来世界を無邪気に信じられた
あの時代だからこそ、出来た
シリーズなのかもしれませんね。bullettrain

Posted by: ガットラー総統 | July 20, 2008 at 12:41 AM

言われてみればその通りで、昔は科学技術に夢がありましたね~
特撮作品の黄金時代でした。

ピカピカの未来世界、21世紀ってどんなんだろう?
と、明るい未来を信じていた頃。

大人になってしまい、いつの間にか21世紀は来ておりました。

Posted by: 最上屋 | July 20, 2008 at 11:26 PM

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