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June 26, 2008

女ガンマン 皆殺しのメロディ

ひさびさにホームグラウンドに帰ってきたような感じであります。

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このソフトだって、出るとすぐ喜んで買ったのになぜか見てると中断せざるを得ないことがたびたびあって、そうなると結局見るのが面倒くさくなってしまう。
それでもやっと今回見ることができた。
やっぱ(若い頃の)ラクエル・ウェルチ好みです~

ラクエル・ウェルチの出てる西部劇というと「100挺のライフル」ってのがあるけど、これも日本国内ではDVDにはなっていない。こっちも見てみたいんだけどなぁ~輸入版を見るのは前回「マイラ」でやったけどだいぶ疲れたから、できれば避けたい。
どうも西部劇というと我々日本人にはいわゆる「マカロニウエスタン」のイメージが強い。だいたいパターンは決まってて、腕利きの主人公が敵役に陥れられて復讐をとげるまでのお話が多い(と思う)
本家の西部劇でもやっぱジョン・ウェインの主演作なんかでは明るく楽しく敵と戦って勝利するようなのとか、徹底的に勧善懲悪のお話という感じがあるんだけど(自分だけか?)ニューシネマ以降の西部劇はこの辺がガラッと変わって、徐々にシリアスなドラマ志向になっていったがこれは当然の帰結かもしれない。
能天気にネイティブアメリカンをやっつける話ばかりでも良いのか?あっちのほうが元々は先に住んでいた人々なのに?という、アメリカ人のアイデンティティの根幹に疑問が出てきたことが一番の問題なのかもしれないなぁ。
勝手に先住民族を悪者扱いするのは間違ってると、ワタシも思う。そりゃぁ、自分達の住んでるところにいきなり変な奴らが現れて勝手なことされたら普通怒るだろ?ケンカになっても仕方ないだろうよ。物事をフェアに見ることがやっとできるようになってきた成熟の現われだろうなぁ、と勝手に分析してみる。

日本でも活劇ばかりの時代劇だったのに深刻な物語ばかりになってしまったもんな。大河内傳次郎から片岡千恵蔵、嵐寛寿郎らの主演作のごとく明るい剣戟映画から大川橋蔵の主演作あたりまでの明るい勧善懲悪(あるいは怪談物)の一家揃って見に行けるような娯楽作から、どんどんリアリズム志向になって結果的にはその反動で作られたんかなぁと思う東映のポルノ時代劇にいたるまでの変遷がある。最近のはとにかく藤沢周平の原作ものばかりで、それなら山本周五郎ももっとピックアップしてほしいんだけどな。
西部劇もニューシネマの傑作「明日に向かって撃て!」に始まり「ソルジャー・ブルー」なんて問題作からどんどんかつてのヒーロー像のたそがれを描くものが増えてしまい、「ロング・ライダース」「許されざる者」なんてドラマ志向へ変遷していった。不思議なもんで、こちらはあまりお笑いとか艶笑系には流れていないな。
まぁ、そんな映画史の分析してもしょうがないんで話を「女ガンマン」に戻すと、製作されたのが1971年だからそれこそニューシネマの大きなうねりがアメリカ映画を洗っていた時期なのに、こんなマカロニテイストの西部劇を作ろうってんだからその心意気は買おう。何と言ってもラクエル・ウェルチが主演だし

そう、すべては(基本的に)その点につきるのであります。
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女ガンマン 皆殺しのメロディ 
Hannie Caulder 1971年英 
監督 バート・ケネディ
音楽 ケン・ソーン
出演 ラクエル・ウェルチ ロバート・カルプ 
アーネスト・ボーグナイン クリストファー・リー他

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メキシコとの国境に近い街でフランク(ジャック・イーラム)、エメット(アーネスト・ボーグナイン)、ルーファス(ストローター・マーティン)のクレメンス三兄弟が銀行強盗に押し入るが、失敗。ほうほうのていで逃げついた先の小さな牧場で馬を盗もうとするが牧場主のジム・コールダーに見つかってしまう。それをジャックとエメットがごまかそうとしていたら、ちょっとイカれたルーファスがジムを撃ち殺してしまった。三人はジムの家に押し入り、そこにいたハニー(ラクエル・ウェルチ)はレイプされてしまい、家も焼かれてしまったのだった。今風の行きずりの犯罪ですな。
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夫も家も、着る服も失ったハニーはポンチョ一枚で夜を明かしていたが、そこにトマス・ルーサー・プライス(ロバート・カルプ)が馬のための水を求めて立ち寄る。警戒して彼を寄せ付けないハニーだが、プライスの方が一枚上でジムの銃を取り上げられたハニー。それでも隙をみてトマスを殴り倒し、気絶させてしまう。これに乗じて馬を奪おうとするハニーはプライスの馬には死体が乗っているの発見。馬を盗むのをやめ、そのまま朝を待つことにした。
翌朝、プライスの銃を使っていたハニーは彼にとがめられる。
プライスは腕利きの賞金稼ぎだったのだ。射撃の腕前はプロフェッショナル。ハニーはクレメンス兄弟への復讐のため、自分の体を代償にプライスに射撃を教えてくれるように頼むのだが、プライスはそれを断る。
「君はウソをつく。触ろうとすればウィンチェスターで撃たれるんだろ?」

ひたすらプライスの馬を追い教えを乞うハニー、でも答えは「断る」
それでもプライスはハニーを疎んじるわけでもなく一緒に夜営してるんだが、その彼女がうなされているのに気付く。プライスは彼女の身に何が起こったかを聞き、結局は彼女の気持ちをくんで銃の使い方を教えることに。
道中、町でハニーの服を整えつつ二人はメキシコに住む腕のいい銃職人ベイリー(クリストファー・リー)の元へ向かう。
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プライスはハニーのため、スペシャルメイドの銃をベイリーに作らせ、いよいよ射撃のコーチが始められる。一方のクレメンス兄弟、やることなすことなんでか上手くいかない。
ある日、無口な牧師(スティーブン・ボイド)がベイリーの元に銃の修理を頼みにやってくる。ここではこれだけ。
ベイリーの家で彼の子供たちと楽しく遊びながら、ひたすら銃の修練を積むハニー。その彼女を見守るプライスの思いにベイリーは気付いているのだが、何もしてあげられない。そんなある日、山賊風のヤバい集団がベイリーの家を襲う。応戦するプライス、ベイリー、それにハニー。
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「とどめを刺すんだ!」初めて銃で人を撃ったハニーにプライスが叫ぶ。でもやっぱ、初めて人を撃ったハニーにはそこまではできなかった。プライスが止めを刺してくれた。しっかりと相手を倒さなければ自分の命が危ない、そのことを実戦の場でやっと理解したハニーであった。
とうとうクレメンス兄弟に復讐を果たすときがきた。町に入るプライスとハニーの二人を見つめる牧師。またしても銀行強盗に失敗したクレメンス兄弟がこの町にもうすぐやってくる。でも、プライスはハニーに
「どうしてもやるのか?…今からでも遅くない。負けたら死んでしまうんだぞ」と提案。
「俺も男だ、下心があったから君に手を貸した。きみは俺を利用したのか?」
ハニーの身を案じてのプライスの言葉なんだけどハニーはそれを受け入れない。もっと上手い言いかたしろよなぁ。
ハニーも「もうあなたは用なしよ」と突っ返すもんだから二人は別行動。
それでも、プライスは街中でフランクを発見。彼の身柄を確保しようとしたが他の二人にその様子を見られ、エメットの投げたナイフがプライスの腹に命中。三兄弟はこの隙に逃げてしまう。その姿を見つけたハニーは倒されたプライスをホテルに運ぶ。
「死なないと約束してくれ、ハニー」との言葉を残し、プライスは息絶える。
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いよいよハニーの復讐開始。女郎屋にいたフランクをまず倒し、さらにエメットとルーファスの二人分の墓穴を掘らせる。これを知った二人は怒り心頭、まずルーファスが店にいたハニーを襲うが返り討ちにあってしまう。
街中でドンパチやったもんだから保安官は「お願いだから街を出て行ってくれ」とハニーに告げる。彼女は保安官に残るエメットへ街はずれの刑務所跡で待つとの伝言を頼み、そこでエメットを待つことに。
最後の決闘の場にやってきたエメットはハニーに気付かれないうちに彼女を得意の投げナイフで倒そうとするが、なぜかそこにいる牧師にジャマされて自分の居場所がバレてしまった。この人何者?
サシでの拳銃勝負の結果、ハニーはエメットを倒しついに復讐を遂げるのだった。
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この作品、実はアメリカ製でなくてイギリス製の西部劇。そのせいか少し毛色が違っていて、自分的にまず思ったのは派手な血のりの色。アメリカ製でないとこんな色出すのね。ともすればオタ的に主人公を美少女にしてもいい感じのこの物語のプロットは後にタランティーノが「キル・ビル」でいただいてきたものだそうで、それを頭に入れて実際に見てみると「なるほどねぇ」と納得してしまう。イギリス製の西部劇ってのは珍しいのかと思ったらそうでもないらしく、チャールズ・ブロンソン主演作の「チャトズ・ランド」もイギリス製だったとは意外。
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イタリア製西部劇を称する「マカロニ・ウエスタン」ってのは和製英語で、本当は「スパゲティ・ウエスタン」というそうな。開祖はセルジオ・レオーネで彼の監督した「荒野の用心棒」からイタリア製の低予算西部劇が一気にブレイク。よく見たなぁ、月曜ロードショーで「荒野の1ドル銀貨」とか「夕陽のガンマン」とか、仲代達也の出てた「野獣暁に死す」とか。制作費安く上げるのにユーゴスラビアとかスペインの原野でロケしてて、ドラマ性とか叙情性なんてのは二の次にして乾いた雰囲気にニヒルな主人公、残虐性の高い描写に派手なアクションとガンファイトというのが定番なんだけど、これって「モンド映画」に通ずるところがあるよな。でも、70年代初期のイタリア製アクション映画ってのはいかにも「金かかってません」という感じのばかりだったな~。「黄金の七人」とかセンスいいのもあったのに、70年代に入るとそんなセンスの良さもどこかにいってしまった。しいて言うなら、この「女ガンマン」はユーロウエスタンってことになるのかな。プライスのキャラクターが古きよき人物なのが英国風。
でも、不思議なもんでアメリカン・ニューシネマの台頭につれ、マカロニウエスタンもしぼんでいく。なぜなのだろう?どうしても飽きられてしまったというのはあるだろうけど、手軽な娯楽性はテレビにとられてしまっていたせいなのかもしれない。
結果、イタリア製のモンド映画とかホラーとかはどんどん過激路線にシフトしていったのかな。
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小難しいことはいいとして、とにかくラクエル・ウェルチのサービスカットが多くてうれしいなぁ。まず序盤の、レイプされて家を焼かれてしまうところからしばらくは毛布をポンチョに仕立てたのを羽織っているのだけど、この下はほんとに何にも着てないじゃないか!すごいぞラクエル・ウェルチ。すばらしい役作りだ。この後、プライスにズボンを買ってもらうのだがそのズボンも大きいから、店員に「濡れたまま穿いてればなじみますよ」といわれてこれを着たまま入浴するシーンもある。当然、下着はつけていないのでわくわく~
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銃に興味のある向きには、登場する銃器も面白い。これはプライス役のロバート・カルプがかなりのガンマニアで、どうも彼がいろいろとディレクションした結果らしい。ダブルアクションのリボルバーとか、おなじみのウィンチェスターでも銃身の短いトラッパーズ・カービンM92とか、なじみのないものばかり。ソフトについてくるライナーには使われた銃器の詳細が記してあるので、読み物としても面白かった。個人的に面白かったのはプライスが使っていたフロントホルスター。左腰に挿してあるこんなホルスターは西部劇では見たことないぞ。ハニーの使う専用銃もダブルトリガーの変わった銃で、えらい口径がでかいけどほんとにこれで女性向のスペシャルメイドなの?
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役者としては、あまりにハマり具合が微妙なクリストファー・リーが何か面白い。それと一番のキャストは謎の牧師を演じたスティーブン・ボイド。この人、よく見たら「ミクロの決死圏」で主役だったし、ここでもラクエル・ウェルチと共演してたじゃないか。今回は台詞もないし、見事なまでの「敵でもなく味方でもなさそうな男ぶり」
悪役ではアーネスト・ボーグナインがやっぱりいい感じだったけど、クレメンス兄弟のほかの二人もいい味出してる。特にジャック・イーラムの不敵なふんいきがステキだった。ジャック・ストローターは一番この中で芝居がじょうずそうだから、他の芝居が見てみたいな。
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てなわけで、ほんとに見るのも難儀してこうやってブログに上げるのも難儀したな、今回は。
見て損はしなかったんだけどな。

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