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May 13, 2008

洲崎パラダイス 赤信号

幕末太陽傳」が一般には代表作の川島雄三が、本人としては一番気に入っていた作品だったと聞いてソフトだけは去年から確保してあったのに、今頃になって見ているのがダメダメだなぁ。
見てみたら、これが面白いんだ。でも、こうやって感想などテキトーに書いてるのは気が重い。
劇中の三橋達也のダメダメっぷりが自分みたいで、こればかりに思いが至ってしまうのよね。
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洲崎パラダイス 赤信号
1956年日活
監督 川島雄三
出演 新珠三千代 三橋達也 河津清三郎 轟夕起子 芦川いづみ 小沢昭一ほか



達治(三橋達也)と蔦枝(新珠三千代)が二人で眺めているのは、勝鬨橋の下を流れる隅田川。
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「ねぇ、…どこ行く?」と尋ねる蔦枝に達治は答えがないまま。仕事もなく、所持金も60円しかない。
しびれを切らした蔦枝はバスに飛び乗る。後を追って達治も乗り、着いた先は洲崎弁天町。赤線があるこの町には「洲崎パラダイス」のネオンが輝いていた。
「また前のお前に戻っちまってもいいのか?」
達治の問いに答えず、洲崎遊郭の手前の橋のたもとにある一杯飲み屋・千草へ蔦枝は入る。
「おかみさん、何か仕事ありませんか?」
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千草の窓には「女中入り用」の紙があった。おかみのお徳(轟夕起子)はあまり乗り気ではなかったが蔦枝がいつの間にか店の仕事を手伝っていたのでそのまま働いてもらうことに。客の落合(河津清三郎)がさっそく蔦枝を見つけて、口説いたりしてるがそれにノリノリの蔦枝の姿を眺める達治は面白くない。
翌日、そんな達治に蔦枝は「二人で住み込みは無理だから、しばらく別々に働いてみましょうよ。そうすれば住むところも借りられるわよ」と提案するんだけど、そう言われると達治としては自分の役立たず加減を知らされてやっぱり面白くない。
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お徳が達治に見つけてきてくれた仕事は近くのそば屋・だまされやの出前持ち。気乗りしなくても、ちっとは男の甲斐性を上げたい達治はその仕事を受けることにした。そば屋の従業員はしっかり者の玉子(芦川いづみ)と出前持ちの先輩である三吉(小沢昭一)その夜、隣に達治がいない蔦枝は仕事に気が入らない。
翌日、達治の様子を見に行った蔦枝は玉子と対面、その存在が気になる。達治に給金を何とか前借できないかと相談する蔦枝だが、そんなことできないと困る達治。それでも夜に千草に行くと告げる。その夜、落合がまた千草にやってきて蔦枝とはすっかりいい仲になってしまい、一緒にすしを食べに行ってしまう。一方の達治、金に困って店の売り上げをちょろまかし雨の中を蔦枝の元に行ってみると彼女はいない。必死になってそこいら中を探し回る達治だが、どうしても蔦枝は見つけられなかったので「だまされや」に戻ると玉子がやさしく達治を迎えてくれたのだったが、そのことにいたたまれない達治はまた雨の中に飛び出していく。千草で飲んで荒れる達治だが、お徳にとがめられたことからまた雨の中へ。
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翌日、蔦枝はけろっと千草に戻ってくる。
「あの後また飲んじゃって、雨だったし、その代わり日本橋でこの着物買わしてやりましたわ」
そんなところに玉子が訪ねてくる「達治さん、来てませんか?夕べから帰らないんです」
あんな奴のことなんか知らないわ、とクサる蔦枝。そこに千草の客の運転手、信夫(牧真介)が初江(津田朝子)と現れる。遊郭でまだ客をとらないうちに初江にまともな仕事につかせてやりたい、とお徳に相談するのだった。
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達治を近所で探すお徳と蔦枝だが、彼は見つからない。そこに落合が現れて蔦枝を住まわせるのにいいアパートが見つかったから見てみないか、と告げる。蔦枝はそのまま落合とともに行ってしまうのだが、その後に達治が現れ蔦枝の行方をお徳に尋ねる。神田のあたりに行ったらしいと教えられた達治は半分狂ったように神田へ向かう。その晩、洲崎の女と逃げて行ったお徳の夫・傳七(植村謙二郎)がひょっこり帰ってきたのでお徳は嬉しさに涙してしまう。
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食うものも食わずに神田の電気街(アキバですな)で落合を捜して回る達治だったが、どうしても落合を見つけられない。結局、ぼろぼろになって千草に戻ってきた達治を迎えたのは留守番していた玉子だった。彼女に諭され、達治はだまされやの出前持ちの仕事に打ち込むことに。

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しばらく経って、千草に蔦枝が現れる。落合とくっついても、やはり達治のことが気になって仕方がなかったから会いに来たのだが、お徳は何とか二人を遠ざけたかったので達治はもうこの街にいないと蔦枝に告げるが、たまたま達治と行き会った傳七から達治がまだあの「だまされや」で働いていることを知る蔦枝。玉子のとりなしでうまくいっていると教えられて蔦枝はなおさら面白くない。「だまされや」に乗りこんだ蔦枝はその玉子に出くわすが、達治がなかなか帰ってこない(千草で足止めされたため)ので、そば屋を出て街をさまようことに。
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日が暮れるまで洲崎のあちらこちらを歩き回っていた蔦枝は、橋の上で血相変えて走る信夫に出くわす。初江がいなくなったのを捜しに行こうとしていたのだが、それをからかった蔦枝は信夫にびんたを食らう。また雨が降りだしたなか、パトカーが盛大に現れる。なんと殺人事件発生、集まるやじ馬の中にはお徳の姿もあった。犯人は女だって、と話している声の中、倒れてムシロかけられていたのはなんと傳七。傳七は一緒に駆け落ちした女に殺されてしまったのだった。
その女につかみかかろうとするお徳を介抱していた達治と、事件を聞き千草に現れた蔦枝は再会してしまう。

千草で語る落合とお徳。結局、達治と蔦枝はまたどこかへ行ってしまった。
「都合、10万の損だったな」と笑う落合だが、女遊びに懲りた様子はない。
達治と蔦枝はまたまた勝鬨橋の上で川を眺めている。
「これからどうするの?ねぇ、あんた決めてよ」と蔦枝の問いに達治はよぉし!と即決してバスに乗り込む。
蔦枝も彼を追ってバスに乗りこむ。何となく、何かが変わりそうなエンディング。


川島雄三というと、45歳で亡くなるまでに51本の監督作があるという結構な多作でその作品がみんな粒ぞろいということもなく、はっきり言って玉石混合(プログラムピクチャも「生活のため」と平然とやっていたのは有名)代表作は「幕末太陽傳」になるのかなぁ、と思っていたけどこの「赤信号」見たらこっちのほうが気に入った。とにかく、演出に無駄がなくて物語の流れがぴたっと決まっているのが気持ちいい。でも、気に入ったけど、今の自分にはイタい映画だな~
とにかく達治のダメ男さが自分と重なっちゃう。「あぁ、これってオレと同じ行動パターンだ」と思うことばかり。蔦枝に言われるセリフも、おかげできっついんだな~。
あたしを養うことも殺すこともできないんだから」なんて身もフタもない言われよう。男より女のほうがとにかく生活力あるのは、もう良くわかってるけどその現実をこうやって見せ付けられると切ないよな。自分のヨメの姿見ててもそう思うし。そのことを納得したつもりでも、いざ自分が無視されちゃうともう気が気でないわけで、あぁ、自分もこんなことやったやった、と複雑な気持ちになった。
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このダメ男を三橋達也が好演。新珠三千代もいいなぁ。男に対してなめてかかる部分のある(信夫に叩かれて自分のこういう思い込みがやっつけられるのが印象的)結構複雑な蔦枝のキャラをちゃんと立たせている演技は感動もの。この蔦枝と対になる玉子という女性の存在が達治と蔦枝の関係にはアクセントなのだな。このころの川島作品で清純な女の子といえば芦川いづみだし、このかわいさがいい材料なのです。お徳を演じた轟夕起子って実は新珠三千代の宝塚の先輩なんだが、とてもそんな感じしないけどお徳を演じたときの年齢はまだ30代だったのね~。Suzaki_paradise4

とにかく川島雄三って群集を使ってのアンサンブルが上手いのに感心。タイトルバックの画面なんてその典型だし、傳七のなきがらに集まるやじ馬の画はとてもきっちり作っている。今はもう、こんな技術のある監督はいないと思う。この作品の続編も撮りたいと思ってたそうで、早死にしたのがとにかくもったいない。小沢昭一も本作では気のいい出前持ちだし、何もしていないのがもったいない。

それにしても、最近えらく河津清三郎づいてるのを発見。「世界大戦争」「猪の鹿お蝶」ときて、本作。ちょっと困った気になった。
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Comments

お邪魔致します。
レビューを興味深く拝見致しました。

「何となく、何かが変わりそうなエンディング。」

そうですよね、これに救われますね。
ボクも今作のレビューを書いていますので、トラックバックをさせて下さいませ。

Posted by: マーク・レスター | October 24, 2010 11:44 PM

マーク・レスターさん
コメントありがとうございます。
今頃コメントいただいてたのに気づいてしまいました<(_ _)>失礼しました

トラックバックまでしていただき恐縮です。
川島雄三はいい監督だったとつくづく思います。
またどうぞお立ち寄りくださいませ

Posted by: 最上屋 | November 19, 2010 11:04 AM

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