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May 18, 2008

最近は邦画ばっかり

ここんとこ邦画ばかり見ているのだが、理由は簡単。
洋画ではあんまり面白そうなソフトが出てこないから。
これじゃいかんなとは思うのだが、いまどきのCG満載の映画などは
見る気もしないし。

と思ってたら、ユニバーサルはえらい。
8/7にリクエストMOVIEシリーズとして「1941」「地球爆破作戦」「レーサー」の
3本がDVD発売されるじゃないのよ。

見る気になるソフトが出てくると嬉しいものです。

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May 16, 2008

直撃地獄拳 大逆転

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直撃地獄拳 大逆転
1974年東映
石井輝男 監督
出演 千葉真一 佐藤允 郷英治 中島ゆたか 池部良 丹波哲郎ほか

注・郷英治の英は本当は金へんに英であります

昨年の秋開催された「いわて盛岡映画祭」ではプレイベントの「花くれないに」上映会に行ったのだが、上映プログラムに岩手大学映画研究会セレクトとして本作「直撃地獄拳 大逆転」が組み込まれていて、そのときには通好みの選択にへぇぇ、と感心しただけで終わったのだがちょうどこの時期にDVDが発売になっていたのを後で知り、つらつらとネットで本作の評価を見てみたらあまりにも「バカ映画」としての評価が高いことを知り「岩手大学映研おそるべし」と感心し、「これはひとつ見てみなくてはなるまい」と決意して今頃見てしまったのだが

確かにこれはバカだ

この「大逆転」は本作の前に「直撃!地獄拳」という正編があってその続編になるので、こっちを見てたほうが登場人物のキャラクターがよく判るようになってるのだが、まぁその辺は目をつぶろう。いずれ正編も見ることにする。
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ちょっとだけ前作から設定を引っ張ってくると、甲賀忍法の伝承者である甲賀竜一(千葉真一)は正編では探偵やってて、マフィアに同僚を殺された元刑事の殺し屋・隼猛(佐藤允)、大量殺人の死刑囚の桜一郎(郷鍈治)とともに警視総監だった嵐山(池部良)に集められてマフィア組織を倒すのが前作まで。その後甲賀は自衛隊に入り空挺団に所属。隼は相変わらずの殺し屋稼業。桜は女とくっついて平々凡々に暮らしていたのだが、嵐山いわく「緊急事態の事件」の解決のためこの三人を集めるよう前作にも登場した嵐山の姪、恵美(中島ゆたか)が奔走。
秘密の訓練なのに面会人が来ているってのはどういうことだ!と甲賀は上官に怒られ、もともと嵐山の部下だった隼は「水臭いじゃないですか」と嵐山のもとに速攻で現れる。「今回の事件は金になるぞ」てんで、どうしても金庫破りのウデに秀でた桜をこのチームに引き込みたいので甲賀は桜の家を訪ねるとものすごいブスの華子(松井康子)が出てきてびっくり。ウソついてむりやり華子の家から桜を追い出させて三人がまた揃った。っていっても、とにかくこの三人は大人げなくてなぁ、バカなんだよなぁ。
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意味があるようには思えないが、超ミニ姿の恵美からビデオを見せられた後に説明された今回の任務は慈善事業家ザビーネ・カウフマン夫人のダイヤ「ファラオの星」を盗み出した連中から取り戻すことと誘拐された夫人の娘を取り戻すこと。依頼人は保険会社の会長・衆木(丹波哲郎)。身代金として10億円を盗難の保険金で肩代わりするよう夫人の秘書・ブルーノ今村(名和宏)からも強く言われたことから一旦相手に金を払い、その後宝石と夫人の娘とを奪還する計画を立てるがこの計画は失敗。娘の身柄を取り戻したが金と宝石は取られてしまう。その結果、宝石が戻らなかったのだから保険金を自分に払うよう夫人は衆木に求めてきた。都合20億円の大損で、三人はただ働きになっちゃったのだ。一方、夫人は裏取引して宝石を取り戻していたってんでまた、ちゃっかりしてんのね。
もうおしまい、じゃぁねぇ~とその場を去った甲賀は夫人の泊まっているホテルに忍び込み、「ファラオの星」を盗み出すが翌日の新聞を見るとびっくり。「ファラオの星」の展示会はしっかりと開催されているじゃないの。夫人はガセの宝石の盗難届けも出してないのはなぜ?
「ファラオの星」の本物はロジャース銀行東京支店のビルに保管されているらしい。支店長のリコが赴任した先では同様の事件が起きているし、払われた保険金はすべてロジャース銀行に入金されていた。背後にはシカゴマフィア(またですか)がいると目されている、とは隼の情報。
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隼はこの宝石と20億の金をロジャース銀行から盗み出そうと計画。甲賀と桜もこれに加わる。なぜか恵美も参加してすばらしいロジャース銀行ビルの模型を使って恵美=中島ゆたかのスカートの中をのぞきながらシミュレーションに励む。実行のため役割分担し甲賀はは最新鋭の金庫を開ける手がかりを得るために支店長のリコの服に隠しマイクを仕込み、隼は電気工事屋の辰三(室田日出男)を引き入れビルを停電させる手順を整え、三人がかりで保管担当の自衛隊員(山城新伍)をだまして自衛隊の装備をちょろまかす。
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そんなこんなで、いよいよ計画実行。ビルには空からパラシュート降下するので飛行機で出発するが、そのパイロットは旧日本軍の航空服姿で現れた隼。これがまた、教則本読みながら高速道路のトンネルまでくぐるという恐怖の操縦を展開。あげくに「俺には着陸させるのはムリだな」ってパラシュート脱出しちまうんだもん。空中で乗り捨てたセスナはどうすんだよ。この作業のフローを管理する中島ゆたかのノートにはイラストまで書かれている。
甲賀と桜はどうにかこうにか金庫を開けて宝石と金をゲットするが、脱出の途中でレーザー警備システムに引っかかり桜の背中と尻に火がついてしまうんだが、それを消すのにションベンかけるのってどうなんでしょうかねぇ(苦笑)
結局見つかったので、コンクリートで出来ている割にはえらいドコボコ音がするビルの屋上で敵と大乱闘開始。実はマフィアの黒幕は今村だったんだけど、そんな謎解きはどうでもいいらしい。
ガラス張りの外装にしてはコンクリート地肌むき出しのビル外面をつたって下に下りると衆木の秘書・紅真湖(志穂美悦子)も参戦し華麗なカンフーを披露。千葉真一のお笑いカラテが炸裂して敵の「片目のサミー」(安岡力也)の目が飛び出し、名和宏は前歯を折られて首を90度ずつ回され一回転させられたあげく腹の臓物をつかみ出されて絶命。なんちゅうマヌケな死に様だ。
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そこに現れた衆木は実は警視庁の人間で、変装を解くとすっかり「キイハンター」の黒木警視正になってしまうし、真湖は実は香港警察の刑事。捕らえられた三バカは総監の命により2・3年のんびりするため網走刑務所に送られていくのだった。それを出迎えるのは「八人殺しの鬼寅」(嵐寛寿郎)でした。


石井輝男は、何を考えてたんだろうか?とまじめに考えてしまうけど

もう、こういうふうに徹底的に娯楽を提供してもらってるんだからそんなことはどうでもいいかもしれない。「恐怖奇形人間」のエンディングを見たら、あぁこれはあの感じがいっぱいばらまいてあるんだな、と思い出すだけでいいのだ。
これはまじめに考えてはいかん。もう、あるがままを受け入れなさい、という天の声が聞こえた気がした。

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だいたい、バカというものを知ってないとこんな主人公を考えないぞ。前に無理なお願いをされて金をフイにしてんのに、そのお願いした同じ人間にまた頼まれてるってのは普通断るだろ?学習能力がない、そんな主人公たちを作り出すんだもんなぁ。またこの主人公三人、互いの酒にフケ入れるやら鼻クソいれるやら卵とトマトジュースをかけ合ったりととことん大人気ないケンカしてる。お互いをバカとかとんちき呼ばわりしてるのからして大人気ないしさぁ。
郷鍈治演じる桜一郎がマンガ的で、おだてられるとすぐのせられるのも最高のマヌケさ。
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本作はコメディなんだなぁ、とつくづく感心したのが、劇中で郷鍈治の左手が接着剤でテーブルにくっつけられてしまった後そのままずっと手の形に切られたテーブルの板がはりついていること。しかもそれがどんどん薄くなっている芸の細かさに感心。鬼寅親分の登場もセルフパロディだもんな。一人二役の山城新伍とかレストランでの食事のくだりはあきらかに「コント」
石井監督は途中からどうでもよくなったのか、特に敵方の登場人物の扱いもぞんざい。「片目のサミー」以下「ジャックナイフ・ジョー」「ブラック・ウルフ」「ジャッカル」「ワンパンチ・ジム」ってマフィアの皆さんがいるんですが

みなさんどこにいるんですか?
ひょっとして現金の受け渡しのくだりでラグビーごっこやってたのが?

予告編もすごい。前作のフィルム使いまわしあり結局使わなかったフィルムあり。Drtd0273415
この露骨なスポンサーへの気遣いもすごい。協力がオリエント時計なんだけど、当然のごとく登場人物はみなオリエントの腕時計をはめてるし、壁面にオリエントのポスターが貼ってあるのをしっかりとカット割りまでして撮っている。頭が下がります。
これは文句なしに愛すべきバカ映画。
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May 13, 2008

洲崎パラダイス 赤信号

幕末太陽傳」が一般には代表作の川島雄三が、本人としては一番気に入っていた作品だったと聞いてソフトだけは去年から確保してあったのに、今頃になって見ているのがダメダメだなぁ。
見てみたら、これが面白いんだ。でも、こうやって感想などテキトーに書いてるのは気が重い。
劇中の三橋達也のダメダメっぷりが自分みたいで、こればかりに思いが至ってしまうのよね。
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洲崎パラダイス 赤信号
1956年日活
監督 川島雄三
出演 新珠三千代 三橋達也 河津清三郎 轟夕起子 芦川いづみ 小沢昭一ほか



達治(三橋達也)と蔦枝(新珠三千代)が二人で眺めているのは、勝鬨橋の下を流れる隅田川。
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「ねぇ、…どこ行く?」と尋ねる蔦枝に達治は答えがないまま。仕事もなく、所持金も60円しかない。
しびれを切らした蔦枝はバスに飛び乗る。後を追って達治も乗り、着いた先は洲崎弁天町。赤線があるこの町には「洲崎パラダイス」のネオンが輝いていた。
「また前のお前に戻っちまってもいいのか?」
達治の問いに答えず、洲崎遊郭の手前の橋のたもとにある一杯飲み屋・千草へ蔦枝は入る。
「おかみさん、何か仕事ありませんか?」
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千草の窓には「女中入り用」の紙があった。おかみのお徳(轟夕起子)はあまり乗り気ではなかったが蔦枝がいつの間にか店の仕事を手伝っていたのでそのまま働いてもらうことに。客の落合(河津清三郎)がさっそく蔦枝を見つけて、口説いたりしてるがそれにノリノリの蔦枝の姿を眺める達治は面白くない。
翌日、そんな達治に蔦枝は「二人で住み込みは無理だから、しばらく別々に働いてみましょうよ。そうすれば住むところも借りられるわよ」と提案するんだけど、そう言われると達治としては自分の役立たず加減を知らされてやっぱり面白くない。
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お徳が達治に見つけてきてくれた仕事は近くのそば屋・だまされやの出前持ち。気乗りしなくても、ちっとは男の甲斐性を上げたい達治はその仕事を受けることにした。そば屋の従業員はしっかり者の玉子(芦川いづみ)と出前持ちの先輩である三吉(小沢昭一)その夜、隣に達治がいない蔦枝は仕事に気が入らない。
翌日、達治の様子を見に行った蔦枝は玉子と対面、その存在が気になる。達治に給金を何とか前借できないかと相談する蔦枝だが、そんなことできないと困る達治。それでも夜に千草に行くと告げる。その夜、落合がまた千草にやってきて蔦枝とはすっかりいい仲になってしまい、一緒にすしを食べに行ってしまう。一方の達治、金に困って店の売り上げをちょろまかし雨の中を蔦枝の元に行ってみると彼女はいない。必死になってそこいら中を探し回る達治だが、どうしても蔦枝は見つけられなかったので「だまされや」に戻ると玉子がやさしく達治を迎えてくれたのだったが、そのことにいたたまれない達治はまた雨の中に飛び出していく。千草で飲んで荒れる達治だが、お徳にとがめられたことからまた雨の中へ。
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翌日、蔦枝はけろっと千草に戻ってくる。
「あの後また飲んじゃって、雨だったし、その代わり日本橋でこの着物買わしてやりましたわ」
そんなところに玉子が訪ねてくる「達治さん、来てませんか?夕べから帰らないんです」
あんな奴のことなんか知らないわ、とクサる蔦枝。そこに千草の客の運転手、信夫(牧真介)が初江(津田朝子)と現れる。遊郭でまだ客をとらないうちに初江にまともな仕事につかせてやりたい、とお徳に相談するのだった。
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達治を近所で探すお徳と蔦枝だが、彼は見つからない。そこに落合が現れて蔦枝を住まわせるのにいいアパートが見つかったから見てみないか、と告げる。蔦枝はそのまま落合とともに行ってしまうのだが、その後に達治が現れ蔦枝の行方をお徳に尋ねる。神田のあたりに行ったらしいと教えられた達治は半分狂ったように神田へ向かう。その晩、洲崎の女と逃げて行ったお徳の夫・傳七(植村謙二郎)がひょっこり帰ってきたのでお徳は嬉しさに涙してしまう。
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食うものも食わずに神田の電気街(アキバですな)で落合を捜して回る達治だったが、どうしても落合を見つけられない。結局、ぼろぼろになって千草に戻ってきた達治を迎えたのは留守番していた玉子だった。彼女に諭され、達治はだまされやの出前持ちの仕事に打ち込むことに。

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しばらく経って、千草に蔦枝が現れる。落合とくっついても、やはり達治のことが気になって仕方がなかったから会いに来たのだが、お徳は何とか二人を遠ざけたかったので達治はもうこの街にいないと蔦枝に告げるが、たまたま達治と行き会った傳七から達治がまだあの「だまされや」で働いていることを知る蔦枝。玉子のとりなしでうまくいっていると教えられて蔦枝はなおさら面白くない。「だまされや」に乗りこんだ蔦枝はその玉子に出くわすが、達治がなかなか帰ってこない(千草で足止めされたため)ので、そば屋を出て街をさまようことに。
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日が暮れるまで洲崎のあちらこちらを歩き回っていた蔦枝は、橋の上で血相変えて走る信夫に出くわす。初江がいなくなったのを捜しに行こうとしていたのだが、それをからかった蔦枝は信夫にびんたを食らう。また雨が降りだしたなか、パトカーが盛大に現れる。なんと殺人事件発生、集まるやじ馬の中にはお徳の姿もあった。犯人は女だって、と話している声の中、倒れてムシロかけられていたのはなんと傳七。傳七は一緒に駆け落ちした女に殺されてしまったのだった。
その女につかみかかろうとするお徳を介抱していた達治と、事件を聞き千草に現れた蔦枝は再会してしまう。

千草で語る落合とお徳。結局、達治と蔦枝はまたどこかへ行ってしまった。
「都合、10万の損だったな」と笑う落合だが、女遊びに懲りた様子はない。
達治と蔦枝はまたまた勝鬨橋の上で川を眺めている。
「これからどうするの?ねぇ、あんた決めてよ」と蔦枝の問いに達治はよぉし!と即決してバスに乗り込む。
蔦枝も彼を追ってバスに乗りこむ。何となく、何かが変わりそうなエンディング。


川島雄三というと、45歳で亡くなるまでに51本の監督作があるという結構な多作でその作品がみんな粒ぞろいということもなく、はっきり言って玉石混合(プログラムピクチャも「生活のため」と平然とやっていたのは有名)代表作は「幕末太陽傳」になるのかなぁ、と思っていたけどこの「赤信号」見たらこっちのほうが気に入った。とにかく、演出に無駄がなくて物語の流れがぴたっと決まっているのが気持ちいい。でも、気に入ったけど、今の自分にはイタい映画だな~
とにかく達治のダメ男さが自分と重なっちゃう。「あぁ、これってオレと同じ行動パターンだ」と思うことばかり。蔦枝に言われるセリフも、おかげできっついんだな~。
あたしを養うことも殺すこともできないんだから」なんて身もフタもない言われよう。男より女のほうがとにかく生活力あるのは、もう良くわかってるけどその現実をこうやって見せ付けられると切ないよな。自分のヨメの姿見ててもそう思うし。そのことを納得したつもりでも、いざ自分が無視されちゃうともう気が気でないわけで、あぁ、自分もこんなことやったやった、と複雑な気持ちになった。
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このダメ男を三橋達也が好演。新珠三千代もいいなぁ。男に対してなめてかかる部分のある(信夫に叩かれて自分のこういう思い込みがやっつけられるのが印象的)結構複雑な蔦枝のキャラをちゃんと立たせている演技は感動もの。この蔦枝と対になる玉子という女性の存在が達治と蔦枝の関係にはアクセントなのだな。このころの川島作品で清純な女の子といえば芦川いづみだし、このかわいさがいい材料なのです。お徳を演じた轟夕起子って実は新珠三千代の宝塚の先輩なんだが、とてもそんな感じしないけどお徳を演じたときの年齢はまだ30代だったのね~。Suzaki_paradise4

とにかく川島雄三って群集を使ってのアンサンブルが上手いのに感心。タイトルバックの画面なんてその典型だし、傳七のなきがらに集まるやじ馬の画はとてもきっちり作っている。今はもう、こんな技術のある監督はいないと思う。この作品の続編も撮りたいと思ってたそうで、早死にしたのがとにかくもったいない。小沢昭一も本作では気のいい出前持ちだし、何もしていないのがもったいない。

それにしても、最近えらく河津清三郎づいてるのを発見。「世界大戦争」「猪の鹿お蝶」ときて、本作。ちょっと困った気になった。
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May 12, 2008

君も出世ができる

ついにDVDが出る!
7/25発売だぁ~

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May 06, 2008

不良姐御伝 猪の鹿お蝶

いろいろ見てみた映画をこうしてブログ形式でネタバレバレにしつつ見た感想など書き込んでおりますが、まぁ備忘録なんで。読み返してみるとたいした感想書いてない。恥ずかしいものであります。
最近はあまり面白い洋画のソフトもないもんで、つらつらと邦画のDVDばかり見てるけど以前は邦画なんかぜんぜん見なかった。「幻の湖」を見たあたりから邦画にもたいへんな作品があることを知り、東宝・新東宝・大蔵・大映・と大手製作会社の作品を適当に見ているわけです。でも、とうとう東映の劇映画に手を出すことになろうとは思わなかったなぁ。「東映まんがまつり」しか見ていなかった自分もオトナになったということをこんなことで自覚するのも何だかなぁ、ではあります。
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もともと東映劇映画といえばだいたいは任侠ものとお色気というイメージが強くて、そのせいであまり見ていなかったのだな。そういう方面にも好き嫌いなくとっつけるようになったんだから、うん、オトナになったな、自分。
で、今回の「猪の鹿お蝶」はなぜ見ようと思ったのかは…何でだったかな?
確か、どこだったかのサイトを見てて池玲子が全裸で殺陣やってるとかいうからだったと思うけど、まぁそんなのはどうでもいいや。とにかく池玲子見たさだったはず。
見てみたら、高度な「お約束」を楽しめるのでそこそこ面白かったな。

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不良姐御伝 猪の鹿お蝶 1973年東映
監督 鈴木則文
原作 梵天太郎
音楽 荒木一郎
出演 池玲子 根岸明美 成瀬正孝 名和宏ほか

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明治19年の東京
刑事の葛西徳造(殿山泰司)は一人娘を連れて七五三のお参りから帰る途上、男たちに刺し殺され持っていた書類を奪われてしまう。犯人の手がかりは徳造の手に残された猪鹿蝶の三枚の花札。それから十八年後、残された娘・杏子はスリの仕立て屋お銀に拾われ猪の鹿お蝶(池玲子)を名乗る一流のスリになっていた。父親の仇を探し金沢に来ていたお蝶は政治家・黒川(河津清三郎)を襲った若い男・柊修之助(成瀬正孝)を助ける。ついつい彼からスってしまったペンダントには白人の若い女の写真があった。
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稲村組に立ち寄ったお蝶は組長(遠藤辰雄)に誘われ賭場をのぞくが、そこでイカサマをした胴元がオトシマエつけるため殺されるのに出くわす。彼は今わの際に貯金通帳をお蝶に託し、浅草にいるゆきという妹を身請けしてくれるよう頼むが、それを知った稲村親分は風呂に入っているお蝶を襲い殺そうとする。ここで池玲子、全裸で大立ち回りです。稲村組全員を返り討ちにして浅草に戻ったお蝶は修之助に再会(修之助は民友党総裁の遺児だった)、ペンダントを返しゆき(早乙女りえ)の売られたキズ源(内田勝正)が束ねる加納組に乗り込みゆきを身請けしようとするが彼女は加納組の後ろ盾である岩倉(名和宏)に慰み者にされようとしていた!ゆきちゃんピンチ。お蝶の申し出に対し岩倉は「君も博打打ちなら博打で勝負しよう」と提案。イギリス人ギネスの屋敷で代打ちと勝負することになったがその相手クリスチーナ(クリスチナ・リンドバーグ)は修之助のペンダントの写真の女だった。
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屋敷には黒川もいたんで、このポーカー勝負の最中に黒川を狙うチーム修之助が乱入。しかし彼らを拳銃で撃退するクリスチーナ。しかし、修之助はこの場で彼女と再会。愛し合った記憶がよみがえるのだった。
なんかよく判らんうちに勝負再開、お蝶は心乱れてしまったクリスチーナに勝利しゆきを身請けすることになったが岩倉は約束を守らずゆきを手篭めにしてゆきをお蝶に引き渡す。そのゆきから岩倉の背中には鹿の彫り物があることを教えられたお蝶は、岩倉が父の仇の一人だと確信する。
一方のクリスチーナ、修之助のいる日本に来るために諜報員になった身の上がここで語られる。ようやく日本に来たのに言葉も交わせなかったことを悔いている最中にギネスがやってきて「我々の使命を忘れるな!これからお前を本物のスパイにするレッスンを始める!」とむにゃむにゃな行為が始まるのであった。
黒川は岩倉と自宅で昔話。実は岩倉は黒川の妻、八重路(三原葉子)とデキているのね。葛西刑事を殺し書類を奪ったことから彼らの出世物語が始まっていたのだった。それには八重路も一枚かんでいたらしい。
修之助は同志といたアジトを突き止められ、逃亡し逃げ込んだ先は仕立て屋お銀の家。お蝶にかくまわれた修之助は身の上話を語る。黒川と岩倉は政心会の汚職を捜査していた葛西刑事から捜査書類を奪い、政心会に売りつけていたのだ。そんな二人に陥れられた修之助の父は憤死し、修之助は復讐の機会を狙い続けていた。葛西刑事ははお蝶の父ではないか!
黒川と岩倉の命を受けたキズ源一家に仕立て屋お銀一味が捕らえられた。お蝶は彼女たちを助け出し身代わりに人質になり「どうせかわいがられるなら岩倉さんにこの体は差し上げたいねぇ」と啖呵を切る。で、岩倉はさっそくお蝶をおいしくいただこうとする(※サービスカット満載)のだが彼女に毒を盛られ岩倉は絶命。体に毒塗って無事なお蝶の皮膚はタフだ。父を殺した三人の男のうち一人は岩倉、もう一人は黒川、そしてあと一人は?Drtd0272412

クリスチーナは日本の軍事機密を探るため、黒川に取り入って体で情報を探るよう命じられる。黒川邸に入ったクリスチーナ、なんかレズプレイなど大々的に披露しているがその様子は修之助にしっかり目撃されてしまった。屋敷に侵入した修之助はクリスチーナから黒川の所在を聞き出そうとするが、ここでこの二人の恋話が語られる。クリスチーナは留学していた修之助と恋に落ち妊娠したダンサーだった。日本に帰った修之助にその恨みをぶつけようと、スパイになって日本にやってきたクリスチーナだったが修之助がまだ自分の写真を持っていたことを知り、やっぱまだ好きなのに気づいちゃうのね。黒川を狙うなら翌日の大阪行きの列車で、と彼女は修之助にアドバイスする。Drtd0272415
翌日の列車にお蝶と修之助は黒川の命を奪うべく乗り込むが、修之助は列車から落とされお蝶はボディガードのシスター軍団に阻止され捕らえられる。なぜシスター?


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黒川の屋敷に連れて行かれ拷問されるお蝶だったが、「お蝶の実の母は自分である」と伝えたうえで八重路がお蝶を逃がそうとする。でもそれも黒川にみつかってしまい、黒川から父の死の真相が語られる。もうひとりの共犯、猪鹿蝶の蝶は実は八重路だったのだ。八重路は葛西徳造の妻であり、お蝶の実の母だった!あぁなんということ。八重路の背中には隠し彫りの蝶の刺青があった。秘密を知る八重路を、黒川は絞め殺してしまう。Drtd0272418
一方、クリスチーナと修之助は共に呼び出されギネスとその一味の罠にかかってしまう。撃たれたクリスチーナの姿にかぶるBGMはなんなんだ?修之助はギネス一味と激闘を繰り広げるが、ついにギネスに撃たれ倒れる。しかしそのギネスも瀕死のクリスチーナの刀に刺され絶命。クリスチーナも修之助と共に息絶える。
お蝶はなんとか縛っている縄を切り、黒川に逆襲。何発か弾丸あたってるけど血まみれになりながらついに黒川を倒し復讐をとげるのだった。最後に雪の地面を歩いてる画面見るとホントの雪なんだよな。はだしじゃ寒かったろうになぁ。
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とにかく、東映ってのは何でもありなんだなぁ。徹底的に娯楽の方向へ走りまくり。話題づくりのためには海外からも女優をつれてきちゃうんだからすごいとしか言えない。まずキャストありで物語を作ってしまうその能力に敬意を表したい。ただ、そのおかげで監督のもつ色があまり出てこないのはちょっと淋しい気もする。自分にはまだ鈴木則文を評価する能力がないというか、この人もあまりに娯楽作の監督作が多くて多岐にわたるので評価するのは難しいなぁ。
今回出演のクリスチナ・リンドバーグはスウェーデンの人で「露出」というポルノ作品で日本でも名が知れていたそうな。東映だとこの人のほかにサンドラ・ジュリアンも招かれて出てたな。
とにかく気楽にお色気とアクションとロマンスをほどほどに楽しめるこの世界に、やっと自分も馴染めるようになったということのほうが自分的には一大事でありました。東宝とはまた違う、遠藤辰雄とか名和宏といった「いつもの奴ら」の演技に注目しよう。

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