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April 08, 2008

独立愚連隊

「兵隊やくざ」見たらやっぱ、こっちも見にゃいかんだろと思い、しっかり見ることにしました。
なんといっても岡本喜八。
ワタシの尊敬する大学の先輩がとにかく喜八に染まった方で、その喜八カラーを知るにはやっぱこの辺りの作品だろうとは思ってたけど、これはもう娯楽作です。
出てる役者の顔ぶれでも楽しくなっちゃうです。

独立愚連隊 1959年東宝
監督・脚本 岡本喜八
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大東亜戦争末期の北支戦線。馬に乗った毎朝新聞の従軍記者 荒木(佐藤允)が児玉大隊にやってくる。「独立愚連隊」という面白そうな部隊があると聞いてきたのでそれを取材させてくれ、とまずは大隊副官の橋本中尉(中丸忠雄)に申し入れるがこの橋本中尉、八路のスパイとして捕らえた男(沢村いき雄)を暇つぶしに撃っていたけどもう一人引き出された女・ヤン小紅(上原美佐)を射殺しようとしたところ荒木がこの女を逃がしてしまう。そしたら沢村いき雄も逃げていく。中尉は射撃がヘタクソなのだった。
独立90小哨、別名独立愚連隊は各連隊のおちこぼれを集めて先遣部隊にしているものだがこの連中、上官の意に反して周りを八路軍に囲まれているってのになかなか全滅しない。「あんな危ないところに行くのはやめておけ」と荒木は中尉に止められる。周囲で独立愚連隊の人員を尋ねる荒木。
大隊が駐屯する将軍廟には女郎屋が一軒あって、そこの慰安婦トミ(雪村いづみ)はなぜか荒木を知っていた。女郎屋に来た荒木の靴を脱がそうとするトミが「脚絆を外させていただきます、大久保軍曹」と語りかける。
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実は荒木は偽名で本名は大久保という優秀な軍曹だった。従軍看護婦だったトミとは許婚同士だったのだが、大久保が北京の病院から突然脱走したことからトミも行き場所をなくし、彼女は慰安婦にまで身を落としていたのだった。それでもやっぱ、ホレた男との再会。もう離さない!と抱きしめちゃうのね。
大久保が軍を脱走した目的は児玉大隊に所属していた仕官見習の弟(上村幸之)の死の真相を知るためだったのだ。久々の再会にトミは喜びこれでやっと大久保と一緒にいられると思ったけど、大久保は翌日すぐ独立愚連隊のもとへ出立。同時に、大隊長児玉大尉(三船敏郎)は治療のため後方へ転出していくところだった。児玉大尉は城壁から落っこちて頭がパープーになってしまっていた。こんな三船敏郎、見られないぞ。
愚連隊のもとへ向かう途中で大久保は馬賊の頭領 ヤン亜東(鶴田浩二)に出会う。実は亜東は小紅の兄で、大久保に妹が助けられたことと大久保の射撃の腕を高く買って仲間に誘うけど大久保は断る。それでも亜東は案内役に妹を同行させ大久保を愚連隊のもとに送る。
八路軍五千人に包囲された独立90小哨は小哨長の石井軍曹(中谷一郎)以下、中村兵長(江原達怡)・神田一等兵(桐野洋雄)・白井一等兵(中山豊)・細川一等兵(山本廉)などなど、個性豊かな顔ぶれ。たまたま愚連隊の食料徴発組がトラックに乗って帰ってきたが、彼らは疲れて倒れてたトミを連れてきたので、また大久保はトミと一緒になる(トラックの運転兵はミッキー・カーチス)大久保士官見習はこの部隊内で戦闘中に梨花という恋人と心中したということだが、その目撃者とおぼしい石井軍曹はのらりくらりと大久保の問いをはぐらかすので大久保は石井を怪しいとにらむが、確かな証拠は見つけられない。石井も、大久保が何か隠していると踏んでいる。
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石井に交換手を命ぜられたトミはうっかり大久保の名を本隊に漏らす。橋本中尉は大久保の身辺調査をおこなう。
弟の墓で大久保はまた小紅と再会。弟と埋葬された梨花は小紅の妹だという。「何か形見はないのか?」と尋ねると小紅はお守りを見せる。大久保が中身を改めると、そこには橋本中尉の悪行を告発しようと弟が書いた上申書が!弟殺しの犯人は橋本中尉だったと知った大久保は将軍廟の本隊へ取って返すことに。
一方の独立愚連隊、西方へ攻勢をかけた部隊が全滅したことをうけ橋本中尉からは引き続き拠点の死守を命じられる。同時に大久保が脱走した軍曹であり、身柄を確保するよう命令が下る。石井以下の愚連隊は新規に配属になった兵は足手まといということもあり、何とか帰還した軍旗少尉(夏木陽介)と本隊へトラックごと返すことにした。トミもこれに同乗していたが途中で八路軍に足止めをくった大久保と合流。しかし脱走軍曹ということで身柄を取り押さえられてしまう。一緒になったトミの「あたしも一緒に死ぬ!」って台詞がいいなぁ。
ところがこのトラックに八路軍が攻撃、トラックは迫撃弾の直撃を受け走行不能。乗っていた全員逃げようとするがトミは砲弾の破片を受け死んでしまう。軍旗少尉も目をやられて大ピンチのなか、「死にたくない奴は俺について来い!」と大久保軍曹、かっこいいぞ。
一同は命からがら将軍廟へ到達。同時に大久保は営倉入り。隣の営倉にいたのは山岡少尉の部下、杉本一等兵で、大尉を城壁から准尉が突き落としたのを目撃していたことを大久保に話す。一方で橋本中尉と部下の准尉、女郎屋の立花は大隊からくすねた金や財産を手に勝手に撤退準備。独立愚連隊にも将軍廟への後退指令が下される。大隊は転進することになったが、軍旗少尉は「借りは返す」と取り上げた拳銃を営倉の大久保に返す
橋本中尉が金を集めて逃げる準備をしている現場に山岡少尉(瀬良明)が現れ、三人を捕まえようとするが失敗。あわや少尉が殺されるというときに大久保が准尉を射殺、立花はその場から逃亡をはかる。
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弟の敵である橋本中尉を倒したところに亜東の一味が現れる。逃げようとした立花は彼らに捕まっていた。杉本と山岡少尉、立花の身柄を本隊に送るよう亜東に頼んだ大久保は愚連隊の到着を待つ。
大久保だけが残る将軍廟に石井の愚連隊が戻ってくる。包囲する八路軍をなんとかやり過ごそうとする愚連隊に大久保も合流。しかし八路軍に見つかった愚連隊は圧倒的に多い敵軍に正面から戦いを挑む…

岡本喜八さん、豊橋で終戦を迎えたわけだがその前に空襲に遭い予備士官学校の同期生が目の前で死んでいくのを体験していたから、その戦争観が出ているためだろうが独立愚連隊の描写がとても面白い。みんな「死ぬのはまっぴら」と思ってるのに戦闘から逃げ出そうとはせず、明るく正面切って戦いを挑み死んでいく。
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いいやつだったのに,、ただ戦争に巻き込まれて死んでいった戦友を忘れないという岡本喜八の思いが見えてきた気がした。だからといって、お涙頂戴の反戦映画ではなく西部劇調の派手なエンタテイメントなのがミソ。見所はいっぱいあるけど、まず佐藤允がかっこいいし、中丸忠雄の悪役ぶりもステキ。三船敏郎のこんな壊れた演技が見られるのはたたぶんこの作品だけだし、雪村いづみもここではとてもかわいいなぁ。個人的には中谷一郎と佐藤允のツーショットがシビれた。
喜八作品でないとこんな共演は見られないよなぁ。中谷一郎の食えない雰囲気もすばらしい。とことん職人肌の喜八節が気持ちいいのでした。

反戦を叫ぶばかりが反戦ではない、ということを理解できる映画でありました。

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