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March 29, 2008

兵隊やくざ

 その昔、ワタシの住む町ではフジテレビのネット局がなく、ホントは正午に開始の「笑っていいとも」が夕方の4時から、そのすぐ後に開始されてた「いただきます」が別のローカル局で2時半だったかに放送されていた時期があった。
「オレたちひょうきん族」も当然のごとく2週間くらいのタイムラグをくって土曜の夕方に放送されていたのだが、その中で「変態やくざ」というコントがあって「そういや、兵隊やくざってあったなぁ」くらいにしかあの当時は知識がなかった。「兵隊やくざ」のパロディなんで当然コントの舞台も日本軍の宿舎とかなんだけど、内容はもうあまり覚えてない。確か、片岡鶴太郎が出てたはず。今はもう見られなくなった原典つきのパロディをやっていたわけなので、実はハイブロウなコントだったなぁ。
いまだに実はファンの多い作品なんでそのうち見たいなぁとは思ってたけど、ちょっと前にシリーズがまとめてDVDになったこともあり今回初めて見ました。あまり勝新太郎って好みじゃなかったけど、これは面白かった。
Heitai_yakuza13「兵隊やくざ」
1965年 大映
監督 増村保造    
原作 有馬頼義
脚本 菊島隆三
音楽 山本直純

昭和十八年、満州北端の孫呉に駐屯する関東軍981部隊内で軍隊ぎらいゆえわざと昇進もしない「関東軍最古参の上等兵」を自称する有田(田村高廣)は、初年兵の指導責任者である中沢准尉(内田朝雄)から一人の初年兵の指導係を引き受けて欲しいと頼まれる。その男は大宮貴三郎(勝新太郎)という、浪曲師くずれのヤクザの男。配属前の指導でも問題ばかり起こしていた新兵だった。
Heitai_yakuza6
准尉いわく「柔よく剛を制すというだろう、大学出の有田にやってもらいたい」
同期の班長、白井(藤山浩二)からも頼まれたことから、有田は仕方なく指導係を引き受ける。
やってきた大宮はとんでもない男だった。配属初日から指示も聞かず、入浴時に砲兵隊の連中とトラブルになり大乱闘のすえ相手を叩きのめしてしまう。
収まらない砲兵隊の伍長、黒金(北城寿太郎)は大宮を呼び出し、鉄拳制裁を行う。が、同席した有田は
「てめえごとき二年兵になめられる筋合いはない。それに、砲兵のお前に歩兵の俺たちを指導する権利もない。つまり、これはお前と大宮との決闘だ。大宮が手を出しても何の問題もない!」
と黒金をびびらせて大宮に反撃命令、大宮はあっさり黒金をぶちのめし片手の指を全部折ってしまう。黒金は泣き寝入りするだけとなり、大宮は有田を深く尊敬するようになる。

3ヶ月後、連隊演習の野営地で黒金(軍曹に昇進していた)は執念深く大宮に復讐するべく有田を殴り倒し、大宮を呼び出す。「上等兵どののためなら、少しくらいのビンタは平気です」と大宮。
しかし、黒金の企みを読んだ有田は同期三年兵を動員し翌朝集まるよう指示。呼び出された場所では案の定、黒金は部下を連れてきており、全員で大宮を叩きのめそうとたくらんでいた。そこへ集まる三年兵の歩兵は黒金の部下を蹴散らす。
「これは大宮と黒金の私闘だ!手を出すと軍法会議だぞ!」
有田の言葉に、手を出せなくなった砲兵たちの目前で大宮対黒金のリターンマッチ開始。再度、黒金をぶちのめした大宮だが有田の班はこの喧嘩の処分で演習後の自由外出時間を取り上げられる。が、大宮はそれを無視。公用腕章をくすねて将校専用の置屋へ入り込み、音丸(淡路恵子)に気に入られ音丸と遊んでいた。有田がこれを連れ戻し「自分で制裁を加えます」と准尉に進言。しかし制裁を加えるのは大嫌いな有田は、竹刀で一発大宮を叩いただけでやめてしまう。気を使った大宮は自分の顔をレンガで殴り、准尉に自ら報告したので有田の評価も上がったのだった。

季節は流れ、大宮も一等兵になったがそんな折、有田ら三年兵の満期除隊がなくなったことを白井から告げられ有田はくさりまくる。その頃食堂で大宮と同期の野木(森矢雄二)が炊事班の石上軍曹(早川雄三)に飯粒を残していたことから鉄拳指導を受け、たまたま持っていた恋文も破られてしまう。深く傷ついた野木は兵舎を脱走。大宮と有田たちも捜索に出たが、野木は三八式で自殺してしまう。
野木のなきがらの脇で、「自分が野木の名を呼ばなければ…」と自責する大宮。ヤクザの時分に実は人をひとり殺しているのだが、これで二人目になってしまったと嘆くがそれを自分のせいにするなとたしなめる有田。
やってきた憲兵(成田三樹夫)に嫌味を言われたが、何とか大宮を有田が抑える。
Heitai_yakuza5
音丸のところに遊びに行くが、二人の気は晴れない。「敵討ちだ!」と炊事班に殴り込みをかける大宮だったが、炊事班長の石上にたしなめられその場は収まる。が、部下に手を出された石上が黙っているはずがないと踏んだ有田は古参兵を動かそうとするが失敗。それでもめげずに、翌日置屋で石上が軍の物資を横流ししている事実をつかむ。そのネタを持った帰ったところ、大宮は炊事班に呼び出され集団で乱闘していた。有田はネタをもとに石上に部下を止めるよう脅しをかけるが、石上は「オレとサシでやるなら文句もあるまい」と大宮にタイマン勝負を挑む。危ないところを有田に助けられ、何とか大宮の勝利。
「いつか、自分が上等兵殿を助けます」と大宮は有田に約束する。

南方の戦局が悪化し満州の関東軍からも人員を送ることとなったが、その中に大宮も選ばれていた。有田は准尉に大宮を外すよう頼むが聞き入れられない。たまたま慰問団が部隊を訪問し、その団長である桃中軒梅竜(山茶花究)は実は大宮の師匠だった人物。大宮は師匠に頼みこみ、自分と同じく南方送りとなった八束(渡辺鉄也)を慰問団に紛れ込ませ脱走させる。大宮も兵舎を抜け出したが、やはり音丸のところにいるのをを有田に見つかる。が、大宮は有田を殴り倒しそのまま部隊に戻り中隊長に自首した。結果、上官への暴力のかどで大宮は営倉送りとなり南方への派遣から外される。
Heitai_yakuza10
有田は大宮へ食事を運ぶことを買って出る。そんな中、ついに部隊が激戦地へ投入されることとなり大宮は有田を脱走計画に誘う。有田が乗ると、「上等兵殿への恩返しだ」と張り切る大宮。はしゃぐ勝新がいい感じ。
具体的な計画は有田にも告げず、大宮は有田と前線への移動中に計画を実行に移す。
二人は機関車を奪い、客車を切り離してついに脱走に成功したのだった。


Heitai_yakuza9最初はふむふむと見ていたけれど、これは面白い。勝新太郎って、あまり好きではなかったけどこれを見てスターとはこういうものかと納得。この「兵隊やくざ」のほか「悪名」「座頭市」と大映の人気シリーズを一人で支えた勝新太郎は、かわいいキャラなんだと得心がいった。これは女にモテるよな。
あとはやはり有田役の田村高廣がいい。やさぐれたインテリ上等兵をうまく演じてる。
この作品の監督だった増村保造も旧制一高から東大法科卒でイタリアに留学と
すごい経歴。でも、こんな娯楽作品もできるとは意外。原作者の有馬頼義も名家の出で、学習院初等科から早稲田第一学院まで進んだのに放校処分となり、後に満州で兵役に就いているけど、これって有田上等兵のキャラそのもの。
こういうインテリのスクラムで有田のキャラがうまく立っているのかも。
まして、戦争から20年経ったとはいえどまだまだ当時の記憶がしっかり残っている人がいっぱいいた訳で、陸軍という空間の異常さをこんなふうにハジケさせてしまうと見てる人は楽しかったろうと思うなぁ。
勝新とゴロ巻く黒金役の北城寿太郎と石上役の早川雄三はなかなかの強面で
いい面構えでこれまた好みだなぁ。今の役者にはこんな悪そうな顔の人って
いないから寂しいものだわ。
菊島隆三の脚本はやっぱ、いいつくり。この頃は黒澤の「赤ひげ」も一枚かんでて
いい仕事してた時期だけど、市川崑が失敗作と認めていた「竹取物語」もやってたとは意外ではある。
Heitai_yakuza11

こうしてみると大映っていい映画つくってんじゃん、とものすごく感心したけど1971年倒産してしまう。市川雷蔵とか田宮次郎とか、ガメラとか大魔神とかいいアイテムがあったはずなのに。
世の無常さを感じてしまいました。

蛇足ながら

唯一劇中で気になったのが、あれは淡路恵子の下半身ではないよなぁ…
Heitai_yakuza2

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March 21, 2008

宇宙のオデッセイ

とうとう、といっていいだろうけどアーサー・C・クラークが亡くなった。
その昔SFの御三家と呼ばれた、最後のひとりが亡くなった。
享年90だから、大往生だなぁ。

クラークといえば、まず代表作は「幼年期の終わり」が出てくるけど
映画の世界では何と言っても「2001年宇宙の旅
この作品の脚本をキューブリックと共同で書き、そのあとノベライズを別に書いて
いるわけだが、映画作品としてはクラーク本人はあまり満足していなかったらしい。
確執というほどではないけど、どうもキューブリックの方向性とはズレがあったようで
後からクラークによって書かれた小説版では設定が若干異なる。
まぁ、周囲から「くそったれ」と言われ続けたキューブリックさんですんで、仕方ない
ですかしら。
この辺はクラーク本人による回想「失われた宇宙の旅2001」に詳しいそうだが、
邦訳があるそうなのでぜひ読んでみたい。
後に続編として「2010年」という、日本人からは総スカンをくった映画が
作られたが、原作者クラークはこういう解り易い物語を望んでいた様子。
そう考えると「2010年」は失敗作とはいえないことになるけれど…

この後さらに「2061年」「3001年終局への旅」とずるずるモノリスをめぐる物語が
書かれたけど、これらは映像化されるのだろうか?
それよりはぜひ、「幼年期の終わり」を何とか映像化して欲しいもんです。

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March 08, 2008

さよなら広川太一郎

私事ではとことん面白くないことばかり。いっそ消えてなくなることが
できるなら、どれだけ楽になることやら。

などと世をはかなんでいるここ数日、広川太一郎が亡くなっていたとの報せが。

ここしばらくは体調がすぐれないらしかったが、ここにきて吹き替えしてたモンティパイソンの完全版DVDとか、ずっと見てみたかった「ライフ・オブ・ブライアン」のDVDも発売になろうというのに。

Mr.Boo!」の吹き替えはもう、ここまで吹っ切れると伝説になるという
最高の実例。
もともと、この人の名前を覚えたのは「チキチキマシン猛レース」のキザトト君
の声をやっていたことだったけど、このすぐ後に「謎の円盤UFO」のストレイカー司令官(演ずるはエド・ビショップ)の声をあてていて、このカッコよさは最高だった。

「007」のロジャー・ムーアの声をあててたりで、二枚目路線の吹き替えが多かった
けど基本的には喜劇の人。

もうあの、しょーもないギャグは聞くことができないのだなぁ。

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March 01, 2008

ネガイボシV終了しました

今回、いろいろとお世話になったマクセルのキャンペーン
「ネガイボシV」が2月末で終了しました。
個人的にはとてもお世話になったなぁ。

http://www.negaiboshi.jp/

こちらから入ると、メッセージの閲覧ができます。

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