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February 13, 2008

マイラ

大昔、確か「スクリーン」誌だったと思うけどカラーグラビアのラクェル・ウェルチの写真を見て子供心にヰタ・セクスアリスがちょろっとあったのだが、中学に入ってそこいらの映画を観まくるようになった頃はそんなこともすっかり忘れており、そうこうしてるうちに「ショーシャンクの空に」を観た時に、主人公の房の壁に貼られているポスターを見て「あ、ラクェル・ウェルチだ」と気づいた。とにかく、ナイスな体してます。
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(←昔見たグラビアはこのコスチューム姿)
これで昔見たスクリーン誌のグラビアを思い出し、その後「恐竜100万年」のDVDを手に入れてすっかりラクェル・ウェルチにシビれてしまったので、彼女の出演作をいろいろあさってみた中でこの「マイラ」の存在を知った。ラクェル・ウェルチのほか脇にはジョン・ヒューストン、メェ・ウエスト(実はこの人がメインなんだけど)に若き日のトム・セレック、駆け出しのファラ・フォーセットが出ている豪華版なのに、内容がかなり変と聞いてなおさら興味がわいたし、公開時のパンフレットには淀川長治が解説を書いていたそうでゲイの方々には何かしら特別なものがあるらしい。日本公開のポスターのキャッチが「むかしマイラは男だった 衝撃!背徳!ハレンチ!腐敗!堕落!頽廃!」だし。何とか見られないものかと画策してたけど(むかーし、テレ東で深夜枠で放送されたことがあったそうな)いかんせん盛岡住まいではどうにもならず、困っていたら海の向こう、アメリカ本国ではラクェル・ウェルチの出演作が立て続けにDVD化されておりこの中に「マイラ」もあったもんだからすぐさまネットで購入。これでやっと見られると喜んでいたのだが、いざ見ようとしたらPCがどうしてもディスクを読み込めない。
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どうも不良品を買ってしまったらしいので、そんなに高いものでもないので再度発注。
やっと見ることができたけど、こりゃまぁすごい作品だった。結果、不幸な作品になってしまった。

マイラ Myra Breckinridge 1970年
監督 マイケル・サーン
原作 ゴア・ヴィダル

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ゲイである映画評論家のマイロン・ブレッキンリッジ(レックス・リード)は怪しげな医師(ジョン・キャラダイン)による性転換手術を受けて新たにマイラ・ブレッキンリッジ(ラクェル・ウェルチ)として生まれ変わる。そのマイラは伯父であるバック・ローナー(ジョン・ヒューストン)の経営する俳優養成学校に乗り込む。
この学校はかなり怪しげなことを知っていたので、
「自分はあなたの甥マイロンの妻なのだがマイロンは先日亡くなってしまい、生活に大変苦労している。義母のガートルードが今わの際に語ったことによると「あなたにはバックの財産の半分をもらう権利があるから、何か困ったときにはバックのところに行きなさい」ということだった。ぜひに財産の半分を譲ってもらいたい」
などと伯父に語る。
当然、バックはそんなことは寝耳に水。いくら妹のガートルードの言葉とはいえそう簡単には信じられない。
本当にマイラはマイロンの妻なのか疑わしいので、この裏づけをとる一方で彼女を学校の講師として雇い入れることに。
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この学校、凄腕女性エージェントのルーテシア・ヴァン・アレン(メェ・ウエスト)がスポンサー。ルーテシアは若い男とえっちするのが大好きで、その供給源のひとつがこの学校。そして、彼女と寝た男はスターへの階段を上ることが出来る。
マイラは学校の生徒のカップル、ラスティ・ゴドウスキ(ロジャー・ヘレン)とメリー・アン・プリングル(ファラ・フォーセット)と親しくなるが、彼らはきわめてノーマルな倫理観の持ち主。マイラはその価値観を壊したくて仕方がない。マイラはルーテシアにメリー・アンを売り込む。Myra_breckinridge_se17

ラスティが仮保釈中に暴力事件を起こし逮捕されたが、ルーテシアの力を借りて保釈させたことからマイラはラスティたちとさらに親密になったけど、マイラはあくまでもラスティの倫理観を何とかこわしたいばかりにラスティをこっそり呼び出して「処女」を奪ってしまう。
ラスティはメリー・アンの元から消えてしまい、メリー・アンはマイラを頼りにするもんだからこれ幸いとマイラはメリー・アンを自分のモノにしようとするけれど、どうしても最後の一線を越えることは出来ない。(ラスティはルーテシアの元にいた。メリー・アンを売り出す交換条件)
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一方でバックは、マイラがマイロンと結婚していなかったことを立証しようと手を尽くす。さらには、マイロンの死亡証明もないことを発見。会計士と共にマイラに権利などないことを明らかにしようとしたが、ここで奥の手。
マイラは自分が美容整形を受けたマイロンだという事実をバラしてしまう。
みんな目が点。

メリー・アンへの思いを何とかしたいマイラは、何とかしようと決意ばかりしながら交通事故に遭ってしまう。
目が覚めると、マイラはマイロンに戻っていた。交通事故で元に戻るんかい?
メリー・アンへの思いが遂げられるかもしれない、と期待するマイロンの姿でthe end。

原作はゴア・ヴィダルの同名小説で発表されるや大ヒット。ジェンダー論も含めて古い性的倫理観にケンカを売る内容だったことから大論争になったそうで、その原作を映画化するってんで20世紀フォックスもメェ・ウエストのカムバックやら、自身もゲイの評論家レックス・リードに監督としてもお騒がせ男のジョン・ヒューストンをキャスティングとハデにいこうとしたわけだったが監督のマイケル・サーンが暴走モード。期待以上にやりすぎの作品になったもんで、取り扱いに困ってしまったらしい。
確かに、もう当時のアメリカは性的にオープンな時代になっていたとはいえ、それをそのまんま映画というメディアに仕立てたこととその表現にオールド・ハリウッドを使ってしまったのが最大の問題。
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この作品の前年にイギリスで「ジョアンナ」という佳作をものした当時弱冠27歳のマイケル・サーンがハリウッドに招かれて撮ったわけだけど、マイケル・サーンがハリウッドの人だったらこんなにはやらかさなかったろうなぁ。その辺を大目に見ても、張り形つけた女にバックバージンを奪われる男の姿を目撃したり、その行為の表現に「古きよきハリウッド」の作品や俳優がモンタージュに使われるのは問題ありまくり。まだ古い人たちはいっぱいハリウッドに残ってたのだし、これには勘弁して欲しいと思う人たちに集中攻撃をされる。結果「オトナの事情」でこの映画は冷遇されることになり、露骨に性的表現があるわけでもないのにR指定にされ見る機会は制限されてしまった。このあと、マイケル・サーンはほとんど映画を撮っていないのはこの作品で干されたからだろう。
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特記事項としては、ファラ・フォーセットがかわいいんだな、とにかく。後にTVシリーズ「チャーリーズエンジェル」で大ブレイクするとは。トム・セレックの若き姿も見られるのが面白い。当時の定番、気狂い博士といえばジョン・キャラダインてのも笑える。

期待しながら実際に見てみると、作品の出来としては厳しい評価になるかなぁ。マイラとマイロンは実は同一人物なんだけど、男性と女性との別人格になりきれてない未分化された不安定さを表現するのにマイロンとマイラが同時に画面に登場する演出を何箇所かでやってるけど、普通に見るとあまりに前衛的。理解しづらい方も多いと思う。この不安定さが物語の肝なんだが。
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それと多数、古い映画の引用がカットバックされるんでちょっと小気味よさに欠ける。とはいえ、オールドハリウッドを知ってるとこのカットインは楽しいだろうな。シャーリー・テンプルにローレル&ハーディ、マレーネ・ティートリヒ、クラーク・ゲーブル、マリリン・モンローなどなどの映像がカットインされてるんで、このあたりの顔ぶれを知ってるかどうかで物知り度が計れるかも。Myra_breckinridge_se29


それにしても、今回は輸入版の日本語字幕なんかないソフトを見たもんだから大変だった。雑感になるけど、もっとラクェル・ウェルチの出演作をソフト化してほしい。
マイケル・サーン監督の「ジョアンナ」もDVDにしてほしいけど、たぶん20世紀フォックスエンターテインメントはやってくれないだろうなぁ。でも、お願いしたいです。

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