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March 15, 2007

緯度0大作戦

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だいたい、単独作品DVDボックスには
「映像特典満載!」なんて文句がついてて
ディレクターズカットだとかコンプリート版
とか未公開シーンとか、入っているわけだけど、だいたいはムダになる。そりゃそうだ。本編1回みりゃ、まぁ終わりですよ。何度も何度もディスク換えておんなじ映画みたりしないのが普通。

なんだけど、今回まじめにこのセットの3枚全部かけてみた。
実際、本編一回見ておしまいにする予定だったのだけど、このソフトは東宝ではえらく力を入れてこさえていてオーディオコメンタリーがすばらしすぎ。
まず、本編のコメンタリーは主演の宝田明。そして、海外版のLATITUDE ZEROのコメンタリーは岡田真澄!おまけに、東宝チャンピオンまつり用短縮版では声の出演の納谷吾朗が吹き込んでいた。で、やはり宝田明と岡田真澄の話が結構面白くて、結局2回ずつ見てしまった。コメンタリーは早送りだと聞き取れないし、今回は念入りに見たなぁ。
ま、本編の面白さうんぬんよりも、この映画の成立にまつわるお話の方が
有名で面白いので、本編のストーリーはどうでもよろしい。

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緯度0大作戦 LATITUDE ZERO
1969年東宝、ドン・シャーププロ
監督    本多猪四郎
特撮監督 円谷英二
音楽    伊福部昭


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田代博士(宝田明)、ジュール・マッソン博士(岡田真澄)、そして代表取材記者のペリー・ロートン(リチャード・ジェケル)が乗り込んだ海洋調査カプセルが海底火山の噴火に巻き込まれ遭難。
それを助けたのが緯度0の潜水艦アルファ号の艦長グレイグ・マッケンジー(ジョセフ・コットン)とアン・バートン(リンダ・ヘインズ)。そして、助手の甲保(大前均)

緯度0は地上をはるかに上回る技術力をもつ海底の理想郷。Tdv_16116d_223






負傷したマッソンを治療するのは姿博士(平田昭彦大先生)
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もっと出演場面があるかと思ったら
このシーンだけだったのが残念。
英語が使えるキャスト、だとぜひとも
天本英世もだしてあげてほしかった。


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この緯度0へ向かっていた
原子物理学の権威、岡田博士(中村哲)
とその娘、鶴子(中山麻里)がマッケンジーの
宿敵マリク(シーザー・ロメロ)に誘拐される。

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シーザー・ロメロ 素敵やん




彼らを取り戻すため、マッケンジーと田代達はマリクの本拠ブラッドロックへ
改装成ったアルファ号で向かいマリクが創造したモンスターたちとの戦いを
繰り広げるのだった。
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すごい戦闘スーツだ


このDVDの発売が2006年4月で、岡田真澄が亡くなったのが5月だから、彼のほとんど最後の仕事のひとつがこのコメンタリーということを考えると感慨もひとしお。んで、これがまた結構面白かった。
まず、宝田明も同じだったけど、とにかくこの映画については
覚えてませんねぇ」なので岡田真澄の自伝を語る部分が多くて、これで初めて知ったことも多かった。
岡田真澄は宝田明とは東宝ニューフェイス同期生だったそうで、元々日活の人だったとばかり思っていたのでびっくり。
ちょうどその頃、家が火事で焼けてしまったうえ「目立ちすぎて使い回しできない」ということで撮影所側からエキストラも失格と告げられ大部屋にもなれず、まず稼ぐため元々の活動の場だった日劇の舞台に戻ったところ、日活のプロデューサー水の江滝子に誘われて日活の専属になったとは知らなんだ。
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自分的に感激したのは、彼の川島雄三監督へのリスペクトのすごさ。「幕末太陽傳」で岡田真澄にまげを被らせ江戸弁を語らせるという荒業をやった川島雄三だけを「先生」と呼んでいたのには感激。
川島の遺作「喜劇 とんかつ一代」にも出演しているのは知ってたけど、ここまでのリスペクトだったとは驚きです。
あと、「マグマ大使」撮影時の裏話は大笑い。特撮シーンの合成部分を外でロケ撮影やってたら「何やってんの?」と声をかけてきたのが石原裕次郎で、「絶対見返してやる」と決意したとか。
とにかく、本編にあまり関係のない話ばかりで楽しませてもらったけど、この収録後時を経ず亡くなったことを考えるとしみじみ。
脇においておくと華のある珍しいキャラクターだったのに、惜しい人を亡くした。

宝田明のほうはというと、とにかくよく語ってくれる。でも岡田真澄の話と合わせて聞いてみると、同じ話題のうらおもてが聞けて楽しい。
2人とも中国からの引揚だったので、話が合ったので仲は良かったそうで新宿辺りの安いラーメン屋を見つけて食べに行った話とかはほのぼの。
作品的に笑ったのは大前均。この映画、もともと全編英語のセリフで撮影していたのを日本語のアフレコして日本公開版をこさえていたのだけど、(納谷吾朗はジョセフ・コットンの吹き替え)英語版でも大前均のセリフは
はい艦長
まわりみんな英語なんだけど、なんでかこの人だけ日本語の、しかも
はい艦長」だけ。
中山麻里が若くて、とても魅力的なのも見どころだけどリンダ・ヘインズがいつも露出過多セクシー系衣装なのはサービス満点。
ほかにも、緯度0はサービスがいいぞ。
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キュー出しの真ん中の人好みです


オリジナル「ゴジラ」のスタッフの最後の作品という点でも興味深いけど、まず伊福部昭の楽曲は思いのほか静かで少し拍子抜け。
電子楽器とかチェンバロなんかを使って、新しい方向を何とか打ち出そうとしているのはわかる。でも自分としてはもっと力強い曲を期待していたのでちょっと残念。
円谷特撮も、この公開翌年に円谷英二は亡くなっていることを考えると最後の花。とはいえ、吊り線は見えるしあまり大胆な光学合成もない、ホントならNGなんじゃないかと思うけど、経費および時間的制約が大きかった現場だったそうなので、まぁ仕方ない。
キャストの誰からも慕われていたのが本多猪四郎だったのも発見。
ジョセフ・コットンも「理解ある監督」と高評価していた。んでも、演出はえらいゆるいので、またしてもちょっと残念。
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一番のキャラはシーザー・ロメロのマリク。
この押し出しの強さはすばらしい。他のキャストも魅力的で、黒鮫号副官の陳(黒部進)とマリクの情婦ルクレチア(パトリシア・メディナ コットン夫人)もいい感じに楽しそうに芝居している。
結局、このDVDを日本語版2回、英語版2回、短縮版1回見ていたので今回はかなり元がとれた。東宝もこれくらい良心的なソフトを造れるんだから、さらなる精進を期待したい。いっぱいソフト化して欲しいのがあるんで期待してるんだからさぁ。
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Comments

いやはや、この作品だけスペシャル版があるのにはこうした訳があったのですね。確かにアーディオコメンタリーは面白かったです。
それにしても、どういう層がターゲットだったんだろう?

Posted by: KT | March 19, 2007 at 12:20 AM

KTさん、毎度です。
うーん、ターゲットは難しいなぁ。どの辺だったんだろ?
このコメンタリーって、ホントに東宝の映画の好きな人
でないと楽しめないんじゃないか?と思うんですよ。
特撮オタよりは、少しゾーンずれてるような気がします。
海外版はちょこちょことカットが増えているし日本版にないシーンも
一部あるから日本版より10分ほど長いです。だから
この海外版のディスクだけでもかなり面白いと思いますんで、ボックスで
買って良かったと思ってます。

Posted by: 最上屋 | March 21, 2007 at 11:28 PM

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