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October 02, 2006

ウィッカーマン

日記じゃなくて、月一更新になってしまったのは仕事が忙しかったのも
あるけれど、とにかくずぼらだということですな、自分の性分が。

前から欲しかったのだ、このソフト。
スティングレイが販売するDVDソフトの第1弾として発売されたのが
この「ウィッカーマン 特別完全版」と「血を吸うカメラ」の2作。ウィッカーマン
見てすぐの9月末で「血を吸うカメラ」も販売終了ということをネットで知り
あわてて「血を吸うカメラ」も手に入れてしまった。

それにしても、この「ウィッカーマン」すごいボリュームのソフト。本編だけ
でも正規の劇場公開版のほか、カットされたシーンを復元・再編集した
全長版にビスタサイズにマスキングする前段階の短縮版も収録している。
このほかにドキュメンタリー「ウィッカーマン・エニグマ」、この映画を紹介
しているTV番組「クリティックス・チョイス」の後半部(前半部は未発見。
クリストファー・リーと監督のロビン・ハーディーがゲスト出演している)
予告編にオーディオコメンタリーなど、欲しいのが全部入っていると言って
いい内容(英語字幕がないのがちょっと…)UK版US版もかなわない。
今回は全長版を見てから公開版をななめに見たので、細かい違いが
わかって楽しかった。

スコットランド本土からサマーアイル島に飛行艇でやってきたのはハウイ
巡査長(エドワード・ウッドワード)。ローワン・モリソンという少女が行方
不明になっているとの匿名の手紙を受け取り、捜査のためこの島に
Wickerman_th_ver3

やってきたのだ。しかし、この島の住人たちは
誰も彼女を知らないと言う。
何かを彼らは隠していると感じたハウイは捜査
続行のためマクレガー(リンゼイ・ケンプ!)の
経営する宿屋兼酒場に泊り込むのだけどパブではえっちな歌の合唱。
夕飯は缶詰の豆やらで最悪。島の名産のりんごも食べられない。
飾ってある毎年の感謝祭の写真、昨年のだけ貼ってない。マクレガー
は「破けたので捨てた」とのこと。
たまらず外に出ると乱交する島の人々。敬虔なクリスチャンの彼にはとても
耐えられない(婚約者はいるけど婚前交渉は全くない)宿の一人娘ウイロー
(ブリット・エクランド)には思い切り誘われるけど教えに従い耐えるハウイ。
Wickerman_th_ver7_1




Wickerman_th_ver11

翌日、小学校に出向くハウイ。五月祭の準備に
忙しい学校で教師のミス・ローズ(ダイアン・シレント
 ショーン・コネリーの元夫人)に話を聞く。
ローワンの名は出欠表にあるのにやはり誰も彼女
を知らない。何故だ?
「この島では、死によって肉体が滅びるとは考えていません」とローズ。
Wickerman_th_ver13
記録課の司書(イングリッド・ピット)にも聞くが
答えは同じ。
墓守(オーブリー・モリス)に「ここにローワンが
埋まっている」と教えられた
ハウイはこの島の領主であるサマーアイル卿(クリストファー・リー)に
話を聞きに行く。道中裸で踊る娘たちを見てこの島の破廉恥さにあきれる
ハウイ。卿は「あれは神聖なこの島の儀式だ」と説明する。
Wickerman_th_ver15

彼からは、この島の物語を聞かされる。
彼の祖父がこの島で住人にキリスト
教を捨てさせ、特産のりんごを品種改良
したので成功したのだそうだ。
墓を掘り返す許可を卿から得て、ハウイが夜に棺を掘り出すと中には
野うさぎの死体があるだけ。卿を問い詰めると「この島の祭りは君には
堪えられないものだろうから、帰ったほうがいい」と諭される。
写真屋でネガをあさると、昨年の感謝際の女王がローワンであることを知る。
昨年は凶作だったことも判明。翌日は五月祭の日。応援を呼ぶため本島に
帰る前に図書館でハウイは、この島の祭の内容を知る。凶作の年の祭礼
には人間の生贄が捧げられる。それはローワンに違いない!ところが港に
泊めておいた飛行艇は故障でエンジンがかからない。こうなれば一人で
ローワンを捜すまで。ハウイは島の家を一軒一軒調べだす、がやはり、
見つけられない。マクレガーの宿で小休止をとることにして、寝たふりをして
Wickerman_th_ver22
マクレガーを襲い、彼の衣装を奪う。マクレガー
の祭りでの役は「一日だけの王 愚か者のパンチ」
彼のふりをして行列に混ざり、そしてついに引き出
されたローワンを救い出す…が、逃げた先にはサ
マーアイル卿たちが待っていた。
「これでいい?」とローワン。「ああ、すこく上出来だ」と卿は彼女をほめる。
サマーアイル卿の本当の狙いは実は、ハウイだったのだ…
Wickerman_th_ver25





 作品の撮影は72年だけど公開までには紆余曲折があったそうで、なんだ
かんだで英国内での上映がかなわず配給側でアメリカでの先行公開をもくろみ
ロジャー・コーマンと接触。彼を通してワーナーに配給権がわたり、やっとこさ
ドライブインシアターでの上映となる。評価は高かったけど、それでおしまい。
英国内では、「赤い影」と二本立て上映のサブ作品として短めに再編集され
73年の末にようやく公開の運びとなったそうな。もともと出資もしてたクリスト
ファー・リーには残念な結果だったけど、後に監督のハーディ、製作者ピーター
・スネル(「赤い影」もやってた)、脚本のアンソニー・シェイファー(「フレンジー」
「探偵/スルース」 ピーター・シェイファーの双子の兄弟)とともに本作の復元に
乗り出す。みんな、すごい思い入れだ。が、保存してあったはずの未編集ネガ
も消失していた。ここでふたたびコーマン登場。彼の手元には第一編集版が
残っていたので、ここからコピーデュープをとり再度編集しアメリカで79年に
限定再公開。ここでやっと評価されるようになり、今に至るという伝説の作品。
最初に99分のエクステンデッド版を見て思ったのは、序盤とにかくテンポが
冴えなくてちょっとつらい。ハウイ巡査長の人物を説明するシーンとか、島に
渡るまでがなんか、まだ自分的には入り込めなかった。ハウイ巡査長が島に
着いて捜査開始しミス・ローズに会う辺りからやっとエンジンがかかってくる。
公開版はタイトルバックがまず、島に向かう飛行艇からの画になりずいぶんと
見やすくなっている。このほかにも宿屋のくだりがだいぶ整理してあったりして
公開版のほうがだいぶ見てる側になじみやすいと思う。
ポール・ジョヴァンニの音楽もいい出来。やはり全編通して歌が聞こえて
くるというのはスリラー映画としてはなんだか新鮮。スケベな画もちりばめて
あるし、出て来る歌がほとんど猥歌なのだがこの歌が物語の材料になっている
のに後から観客は気づくのだ。だから脚本は実はとてもよくできていると思う。
こんな作品が完成当初見捨てられていたとは何ともったいない。とはいえ、
日本での公開も98年なんだけど。
題名の「ウィッカーマン」は物語の最後に出て来る木製の大きな人形のこと。
Wickerman_th_ver30




これを見て、送り盆に行われる地元の行事「舟っこ流し」を思い出した。
レンタルでも置いてるところもあるらしいが、借りてきて損はしないと思うな。
やっぱり、怖いものにはお色気は欠かせないことを改めて認識した。
Wickerman_th_ver14


こんな感じで

めぐり合わせを考えると面白いのは、ブリット・エクランドは翌年「黄金銃を
持つ男」でまたクリストファー・リーと共演していること。知らない仲じゃない
わけだからさぁ。そして、このときの水着姿はなんと出産後の姿だという
ことにさらにびっくりしたのであった。
こないだニコラス・ケイジが主演したリメイク版が公開されていたけれど、
キャストの顔ぶれを見るとどんなもんなんだろうか?評価もいまいちらしいし。
日本ではビデオスルーの可能性が高いなぁ。

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