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January 02, 2006

大いなる別れ

 新年が明けました。おめでとうございます。今年も何とか、カキコ
続けていきたいと思います。これを読んでくださっているみなさま、
また今年もヨロシクお願い申し上げます。

 おととしの暮れに買った「コロンビアトライスター フィルムノワール
コレクション」vol.1&2はろくすっぽ見てなかったけど何とかvol.1はこの
「大いなる別れ」をもって、鑑賞達成となりました。まる1年がかりだけど
考えてみると買ってからしばらく触りもしていなかった時期があるんで、
これじゃ買っただけでもう満足してしまうコレクターさんなのだ。いかん。
酒と同じで、どんなものでも実際に体験しなきゃ意味ないのですから今年の
年頭の決意として、「積んどくだけはしない」としよう。…でも、できるかなぁ

 しばらく続いたボギー祭りもこの「大いなる別れ」でやっとフィナーレ。しかし
今回のこの作品、実はオイラは劇場で公開時に見に行っている。なので
初見ではないのだが、実際に見てみると内容はどこも覚えていなかった。
そして、今になってみるとなんかよく解る部分もあったりで、けっこう新鮮な
体験となったのでした。覚えてたのは主人公の名前と最後のカットだけだった
もんなぁ。
reck







日本での初公開は80年ということになってるけど、これ確かボギーの出演作
で日本未公開のものを何本かまとめてインターナショナルプロモーションと
いう配給会社が公開したものの1本(確か、4本だったと記憶している)。
しかし、ほかには「モロッコ慕情」が確認できただけだから、あとでまた
調べなおそうと思います。このインターナショナルプロモーション(略称IP)
は毛色の変わった古い作品を配給していたと記憶してたのに、今は名前を聞かな
くなったからつぶれたかどっかに吸収されたのだろうなぁ。IP配給、実際に見た
のだとルネ・クレールの「そして誰もいなくなった」なんかは実際に見ていたなぁ。
これもまた今にしてみりゃ微妙な作品で、ある意味興味深いモノ。

「大いなる別れ」(原題Dead Reckoning 死亡推定、とでも言うのかな)は1947年
作品。原案はジェラルド・アダムズとシドニー・ビデル。この人たち、もっぱら西部劇
とか戦争映画の活劇系が専門で、そんなに有名なのはありません。
監督はジョン・クロムウェル。この人はもともと俳優で、ロバート・アルトマンの
「ウェディング」にも出演している。監督作だと37年の「ゼンダ城の虜」が有名
かなぁ。脚本のスティーブ・フィッシャーはびっくり。あの「東京ジョー」や「影なき男の
息子」(原案がハメットだぞ!)とかチャンドラー原作の「湖中の女」(これ見たい!)
の脚本をやってんじゃないか!うぅむ、ハードボイルドの本流を泳いでいたのか。
あとはようわかりません。コロンビアではこの作品の主人公、リップ・マードックの
シリーズを作ろうとしていたとか聞いたこともあるけど、実際にはこれだけ。

 南部の海岸沿いの街、ガルフシティ。警察の目を逃れて教会に逃げ込んだ
リップ・マードック(ハンフリー・ボガート)は、彼同様に落下傘部隊の退役軍人の
ローガン神父(ジェームズ・ベル)に自身の困難な状況を打ち明ける。
大尉だったリップは彼の部下、ジョニー・ドレイク軍曹(ウィリアム・プリンス)と
共にヨーロッパの前線からスティール将軍に呼び戻される。その戦功をたたえ
勲章を授与されるためだったが、それを知った軍曹は表情を曇らせる。
彼らの乗った列車が目的地フィラデルフィアに着くと同時に軍曹は逃亡。
その理由を調べるべく、リップはジョニーの故郷ガルフシティへ赴いたのだった。
リップの来訪を知っていたジョニーはホテルに「電話する」との伝言を残していた。
けれど、連絡はなし。リップは彼が入隊する以前の新聞を調べることに。すると
ジョニーがジョニー・プレストンの名で殺人事件の容疑者として追われていた
ことが判明。部屋に戻りラジオを聴いていたリップは、混線した警察無線から
交通事故で黒焦げの死体が発見されたことを知る。確認するとそれは
ジョニーに間違いない。殺人犯の汚名をそそぐべくリップは調査を開始する。
なぜ彼は殺されたのか?
リップは証言者のバーテン、ルイス・オードに話を聞くべくサンクチュアリ
クラブへ出向く。胡散臭いホール係クラウス(マーヴィン・ミラー)に迎えられ、
ルイスに話を聞くと、彼はジョニーの手紙を持っているとのこと。
そこで被害者の妻で元クラブ歌手のコーラル・チャンドラー(リザベス・スコット)
登場。
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リップと彼女はクラブオーナーのマルティネリ(モーリス・カルロフ
スキ)に賭けで勝ったはいいがマルティネリに一服盛られ、目が
覚めたらホテルの部屋。
隣には死体になったルイスが横たわっていた。リップは追われる身となり
ながらも、友の死の原因を調べるためコーラルに協力を求める…

 物語のあらすじまとめるのがしんどい。人間関係を頭に入れるのもとっても
めんどくさくなります。ま、とにかくレイモンド・チャンドラーのハードボイルドもの
を知っているとこの筋書き、とてもイイ感じ。「さらば愛しき女」読んだことが
あればおっけーです。
リップとつかず離れずの殺人課警部補キンケイド(チャールズ・ケイン)のキャラは
まんまヴァイオレッツ・マッギーじゃん。リザベス・スコットのファム・ファタールぶりも
なかなか。展開はとにかくスピーディなんで見てて飽きないけど、…なんで物語を
わざわざローガンに告白してなきゃならんの?
リップが一服盛られるくだりなんかは「私は罠に落ちることにしました」
なんて言ってるけど、そうならんための方策を考えんか、リップ。
シリーズものにして欲しかったなぁ、このキャラクター。本業はセントルイス
のタクシー会社の社長なんだと。この少し説教臭いきざな台詞はボギーならでは。
lizbogart

 これを見てて、主人公リップが吐いた台詞を以前
ツマに言ったことがあるのに気づいた。思い出したら
小恥ずかしくなりました。

にしても、この邦題の日本語、なんか微妙に変な気が
するんですが。

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