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November 19, 2005

孤独な場所で

 先日、「トリビアの泉」を見ていたら「「11:3=B」を縦にしたら
バカボンのパパっぽくなる」という、しょーもないネタを放送していたが
そのBGMで流れていたのが「元祖天才バカボン」のエンディングの曲
だった。原作者の赤塚不二夫が作詞しているものだったが、その中で
「41歳の春だから~」というフレーズがあったのを「あ、懐かしいなぁ」と
思って聞いていたら、ふと気づいた。

「…おれは、バカボンのパパと同い年になっていたのか?」

 ある意味、衝撃の事実だった。


いろいろ考えすぎていたら、またDVD見ていないぞ。おかげで更新もしてない。
これじゃいかん。
なのでまたまた「ボギーあんたの時代は良かった祭」に戻ることになり、
「孤独な場所で」を見ることにする。
lonely









しかし、見てみて思ったが、これ微妙な作品だぞ。このフィルムノワール
コレクションvol.1では個々の作品の映像特典なんてボギーの出演作
の予告編がおまけでついてる程度だったのに、これだけはなぜか
フィルムの復元ドキュメントとカーティス・ハンソンのインタビュー映像に
よる解説がついている。これは驚き。
最新作「イン・ハー・シューズ」が現在公開中で、これは評判がよろしい。
本編を見ると、この作品に思い入れが出てくるのもなんとなく納得が
いきました。

原作はドロシー・B・ヒューズの同名小説で、もともとシリアルキラーを
題材にした犯罪小説だったのを思いっきり脚色して、殺人事件に
まつわる人々の物語にしている。
2movies-revival-9708



主人公ディクソン・スティール(ハンフリー・ボガート)は映画脚本家で、
以前は売れっ子だったが最近はヒットがない。バーで新作のオファー
を受けた彼は店の受付嬢ミルドレッド(マーサ・スチュワート)に原作本
を自分に読んで欲しいと頼み、家に連れ帰る。彼のアパートの別棟に
住むローレル・グレイ(グロリア・グレアム)に二人でいるところを目撃
される。んで、特に何もないままディクソンはミルドレッドを帰す。
翌朝、軍隊時代の部下で今は刑事のブラブ・ニコライ(フランク・ラブ
ジョイ)が現れ、ディクスンを警察署に連行。ロクナー警部(カール・ベントン
・リード)からミルドレッドが殺され、遺体が道路ばたに捨てられていた
ことを告げられる。しかし、ディクソンは動じない。嫌疑をかけられた彼は
ミルドレッドを一人で帰したことをローレルに証言してもらいなんとか放免
されるが警察は彼を疑う。ディクソンは暴力的な男で、過去に幾度か
事件を起こしていたから。

これをきっかけにディクソンとローレルは恋に落ち、新作の執筆に没頭
する彼をローレルは献身的に世話する。が、ブラブ夫妻に誘われた
ピクニックでちょっとしたことで激昂して帰る途中、ぶつかりそうになった
車のドライバーを殺しそうになるほど殴りつけるディクソン。ローレルは
次第に彼を疑いだす。

新作はめでたく完成するのだが、不安なローレルは彼から離れたい。
しかし、できないままずるずると婚約までしてしまう。その婚約をお披露目
する内輪のパーティでまたもディクソン暴れだす。ついていけないってんで
先に家に帰るローレル。その家に押しかけるディクソンはさらに昂奮して
しまい、ローレルの首を絞める。いかーん、と思うところに警察から電話。
「犯人が捕まったよ。疑って済まなかった。警部が彼女にも謝りたいんだけど
代わってもらえるか?」ブラブからの電話だった。
ロクナー警部の謝罪を聞くローレル。しかし、
「もう遅いわ。昨日だったら良かったのに」

自分が彼女からどのように思われていたかを知るディクソンは、彼女を
失おうとしていたのはなぜなのかをやっと知る。そして、呆然としたまま
彼女の家を出て行くのだった。

あらすじはこんな感じになるけど、1950年の作品ということを考えるとえらい
微妙な作品。
なにしろ、登場人物は実は犯罪には絡んでない、でもフィルムノワール。
ボギー先生はかっこいい男、なんだけど性格的に破綻している粗暴な
部分のある男ディクソンを演じている。なんか微妙。
謎解きの部分も、あっさりとおしまい。あまりに現実的。
ロマンスの一種としてみるとまぁ、そのジャンルにははまるとは思います。
監督はニコラス・レイ。「理由なき反抗」が有名だけど、これみたいにえらく
実験的なものまでやってたのね。
個人的に注文をつけるとすると、やっぱディクソンのキャラクターの掘り下げが
もう一歩足りないと思う。脚本家だろうけど、しばらくヒットがないのにいい暮らし
ってのは、よくわからん。彼が暴力に対してマニアックである部分を表現する
のには、時代的には厳しかったろうなぁ。
もともとは主人公は殺人犯。これをボギーとかキャストがみんなで読みあわせを
しているうちに監督が方針変更。殺人をめぐるサイドストーリーになったそうな。
ボギーは、相変わらずです。元気です。でも、このキャラクターを演じるのは
たぶん楽しんでいたはず。自分的にはブラブの奥さん、シルビア(ジェフ・ドネル)
がいい感じ。適当に美人でなく、適当に物語に影響を与えてるおいしい役だぞ。
ローリング・トゥエンティの俳優である酒びたりのチャーリーなんて登場人物
(ベラ・ルゴシあたりがモデルかな)からも当時のハリウッドへの皮肉も入って
いるけど、同時期の「サンセット大通り」に比べると毒は弱い。
それでも、あのハリウッド全盛の時期にこんな微妙な、実験的な作品があった
とは驚きであります。
特典のカーティス・ハンソンのインタビュー解説はとてもためになるから、きちんと
見て損はしない。

あと驚いたのが、この映画の修復作業のドキュメントが特典として収録されてる
けど、この中で1950年以前の映画はハリウッドでも半数しかきちんと保存されて
いないということが述べられている。びっくり。日本の保存状況はひどいと思って
いたけど、アメリカでも大差なかったのね。
もっとみんな、映画に愛をくれてやってくれ。

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Comments

こちらでは、初めまして。どうも「べ」です。
41歳の春なんですよね~
私も感慨にふけりました。
一緒にいる人達の親がそろそろ同年代になってたりします。まだまだ恋人役で出演できるぞー!と気張ったところで、所詮、親子役にしか見えない現実…
う~む。

ということで、今週末公演をしています。やっぱり親子に見えるのかなぁ…よろしければご来場いただければと…詳しくはURLhttp://blog5.fc2.com/bebebenooyaji/をたどっていただければと…

Posted by: | November 30, 2005 at 07:48 AM

べ さん、いらっしゃいませ。
拙文を読んでいただきまして恐縮です。公演の告知ありがとうございます。

でも、まだまだいろんな刺激を発信したり受信したりして
いればこの際、歳の話はおいといて…。
おいとけないかしら。

Posted by: 最上屋 | December 01, 2005 at 07:02 AM

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