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October 29, 2005

ラ・ジュテ

 いろいろと忙しく、ろくに更新ができない!
困ったもんだ。と思いつつ昔に自分がここで起した文章を読み返してみると
…だめだこりゃ。気持ちばかり、先走っている。へただ。
いかんよこれは。とはいっても、過去のブログをいちいち井伏鱒二みたく
直していてもまずは読んではもらえんな。というわけで、昔書き込んだ
やつをお色直ししてまた出そうかなぁ、なんて考えてたりする。
新たに書き込みしたいのもあるのだけれど、どれから手をつけていいのか
思い悩んでおります。
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うーん、自分に宿題出しておこうかな。「ラ・ジュテ」と「12モンキーズ」でも
何とか次にあげたいな、とは思っているんだけども。ということはこれらを
また見なきゃならんです。「ラ・ジュテ」は貸したまんまだし、「12モンキーズ」
は借りてこなきゃならんな。にしても、「ラ・ジュテ」はあんまり見た人いない
だろうなぁ。ちゃんとこれ借りられるんだよ。

 「おれはこんなのまで見てんだぞ」みたく自慢するのは、ダメだと思ってる。
自慢話じゃなく、あくまで経験談にしようよ。と思ってます。自分的には、
ポリシーは「経験談」。

なんだか、成り行き的に「ラ・ジュテ」のことどんどん思い出してきたぞ。
もともとこれ、何ゆえ見たのかというと、もともとは「12モンキーズ」を
その昔に借りて見ようと思ったらDVDが貸し出し中。さびしくパッケージ
だけ眺めていたらこの映画の元ネタが「ラ・ジュテ」だと説明文に書いて
あった。で、こっちの方もちゃんともっぱらお世話になっているツタヤに
あって、そのままこれを借りてきて見たのだ。なので、オイラはこの2本を
時間軸的に正しい順番で見てしまったのである。

監督は、クリス・マルケル。この人もともとドキュメンタリー作家で、ゴダール
などと一緒に「ベトナムから遠く離れて」にも参加している人。彼のおそらくは
唯一の劇映画がこの「ラ・ジュテ」なんだけどこれ、短編なんだよな。28分。
それでもシネフィルのDVDのパッケージはとにかくクールでかっこよくて、手に
取って見たら関心がむくむくとわいてきた。これも大きな動機になった。
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で、見てみたらとにかく驚いた。白黒の、ほぼ全編スチルカットという構成。
「映画の表現」という観点では、なんか自分の価値観が変えられたかも。

 時は未来。放射能に汚染された地上では暮せなくなった人類。
主人公は、敗者側の捕虜の男(ダフォ・アニシュ)。冒頭「これは少年期の
イメージに取り憑かれた男の物語である」とのナレーション。
全編、ジャン・ネグロによる三人称のナレーションで物語は進行する。
過去に飛行場で、男は叫ぶ女の姿、誰かの死?を見たことがあるらしい。
断片的なそれが、男を捉える。自分は何を見たのだろう?
戦争が起こった、その原因を探るべく過去にタイムスリップする男はそこで
ある女性(エレーヌ・シャトラン)と出会う。彼はなぜか、彼女に見覚えがあった。

過去のその時代で彼は彼女と愛し合うようになる。
逢引を重ねる二人。そして彼は彼女と飛行場で会ったことを思い出し、
二人は飛行場へ向かう。そこで何が起こったのか?

 「12モンキーズ」を見ている人には、物語の重要なプロットはほとんど同じ
なのでネタバレしてしまうのだけれど、逆にこっちを知っていると
「一緒にすな!」と思う人も多いだろうな。
 この「静謐」という言葉の似合う映画、なんと言っていいのだろう。
全編スチルカットでの構成なので、もともと写真を撮ってそれを編集
したのかと思ったら、実はちゃんとムービー撮影していてその中からカットを
抜き出してスチルにしていたんだそうな。
たかだか28分の作品なのに、これだけ印象の強い作品というのはめったに
ないぞ。この徹底的に詩的な時間、28分。
一瞬だけ、朝に目覚めた彼女が目を開き、微笑む。
それだけのムービーがはさまれているのだけれど、このカットはとにかく
感動的。白黒の画面でこれほどの情感が表現できるとは、うーむ。
「映画的表現」という言葉の意味の深さを知った一瞬であった。
結局いっぺんでこの映画、気に入ってしまいました。

この作品は1963年ジャン・ヴィゴ賞とトリエステSF映画祭金賞受賞。
日本ではまさに知る人ぞ知る名作だったけど、1999年ついに初公開。
後にDVD化されたけど…
シネフィル版のやつ、なんちゅー高くなっとるんじゃい!
私が見たのはまさにこの版であります。後に紀伊国屋版を買った(サン・ソレ
イユとのツインパック)

「12モンキーズ」はまさにこの映画を下敷きにして作られた作品で、若干元祖
とは異なる部分がある。
・人類が滅びたのは核戦争でなく謎のウィルスのせいになっている
・ラ・ジュテでは未来にも行っているのに、こっちは過去だけ
・謎のウィルスにからむ人々(例 ブラピ)はラ・ジュテには当然出てこない
・少年の視点は、ラ・ジュテではあまり重要視されてません(この点は重要だ)

クリス・マルケルの作品は日本ではあまり公開されてないけど、実際には
かなり多作で、昨年もTV用に1本撮っている。「Level5」という作品には大島渚も
出ているらしい。どんなのなんだろ?

忙しい理由の大きなもの、自分の出ていた芝居がめでたくハネたので、
少し時間ができました。

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October 18, 2005

映画祭

 「○○映画祭」なんて、名前のイベントはどれくらいあるんだろ?と先日、みちのくミステリー映画祭の上映を久々に見に行って、ふと考えた。ある意味、こういうイベントを個人的に企画して開催できたら結構楽しいかもしれない。んで、はたして自分の場合はってえと…

やっぱ、「第一回(ぽっきりの)禁じられた映画祭!」とでも名づけてやってみたいかも。そんじょそこらで気軽に上映できない作品のお祭りだ。
当然のごとく、「ヤリ逃げ」が基本なので、基本的には上映作品はすべてシークレット上映で、当日プログラムを発表する。そうしないと、横槍が入る。

問題は上映作品のセレクトだが、邦画の場合はそんなにネタには困らない。
まず、企画上映として円谷プロ特集!
ウルトラセブン第12話「遊星より愛をこめて」+怪奇大作戦第24話「狂鬼人間」のジョイント上映会。こりゃ目玉企画だ。
別々に上映してそれぞれ入場料取ってもいいかも。
ソフト化できないなら、上映会にしてはダメだろうか?
東宝映画特集として、「獣人雪男」「緯度0大作戦」「ノストラダムスの大予言」(未改訂版)。それと、「大怪獣バラン」かな。って、これじゃ浅草東宝のオール
ナイト上映。
タイトルだけだと、渋谷実の「気違い部落」もいいな。めったに見られないし。
内容は普通の喜劇的なストーリーなんだけどなぁ。いわゆる「キ○ガイ」は出てきません。
「唖侍 鬼一法眼」とかもいいかもしれない。以前DVDが出てましたが。

洋画では、「ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀」「密室の恐怖実験」
逮捕覚悟で「思春の森」あたりか?
でも、「密室の恐怖実験」は果たして外国ではどのように扱われているのでありましょう?

 うーん、今すぐ思いつく「ちょっと難あり」映画はこんなものでしょうか。
この企画にどなたか援助してくださいませんか?どんくらい動員できるか、ギャンブルですけど。

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October 15, 2005

「恐怖奇形人間」 at ミステリー映画祭

 眠いけど、今回はルポ。
10月14日から、盛岡で第9回みちのく国際ミステリー映画祭が開催中。
今年のテーマは「刑事・デカ」だそうだが、上映作はこれにあまり関係ない。
今年の企画上映では岡本喜八を追悼して「暗黒街の対決」、そして石井輝男追悼で「恐怖奇形人間」を上映した。このセレクト、個人的には見に行こうかどうしようか迷ったけど、喜八の作品はどんどんDVD化されつつあるので、めったに地方では見られない「恐怖奇形人間」を見に行くことに。
石井輝男のはろくに見ていないし、ましてこれはソフト化のめどはない。タイトルがタイトルだもんなぁ。なのに、「フリークス」はデジタルリマスターでまた公開するの?何だかなぁ。

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○江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年東映)
原作=江戸川乱歩「パノラマ島奇譚」他より
監督=石井輝男
脚本=掛札昌裕・石井輝男
撮影=赤塚滋
協力=木下サーカス


 開始時刻がPM11:30。天候は小雨混じりという条件で、ましてこんな、地方では知っている人が少ないと思われる映画なので、
「たぶん、混まないでゆったり見られる」と思い開始15分前にのんびりと会場の盛岡ピカデリーに着いてみたら、なんだか行列ができている(;゚д゚)目論見はあっさり狂った。前売買っときゃよかった。
入場して、開始を待つがそれでも客はやってくる。結局キャパ200強のコヤは満席になった。今回のゲスト行定勲もご来場。
前説は、高橋克彦。この作品を奥さんと見に行ったときの思い出を語っておいででしたが、
「この映画を家内と一緒に見に行って、見終わった後『もう絶対、あなたの薦める映画、一緒には見に行かない』って言われまして…内容はもうすっかり忘れてるんですよ」
って、そういう映画を人に見るのを薦めるのは何か間違っているような気がする。
もともと、前売が47枚しか売れてなかったから大変心配だったって。

主人公、人見公介(吉田輝雄…やっぱりなぁ)はなぜか精神病院にいる。
監守(高英男 あはは)にひどく扱われながらも収容されているのだが坊主頭の男に命を狙われ、逆に彼を殺してしまい病院を脱走。出会った曲馬団の娘、初代(由美てる子)の歌う子守唄に公介は聞き覚えがあった。そして頭から離れない島の風景、美少女と醜い男の顔。彼女の知る風景にも覚えのある公介は翌日、詳しく話を聞くべく初代と待ち合わせをしたところ、彼女は何者かに殺され公介は殺人犯として追われる。
「裏日本(死語)の子守唄らしい」との初代の言葉を頼りに裏日本を旅する公介は彼と瓜二つの、地元の名家の当主、菰田源三郎の病没を知りその町で調査開始。按摩のおばはん(加藤欣子)から聞いた所では、源三郎の父である丈五郎(土方巽!)は手の指の間に水かきがあり人目を嫌い、家を執事の蛭川(小池朝雄 わぁ)に任せて妻のとき(葵三津子)とともに孤島に渡り、島を改造している。変な坊主のいる寺(由利徹と大泉滉 笑える)に葬られた源三郎が生き返ったよう見せかけ公介は源三郎になりすます。
ちなみに、診断する医師は上田吉二郎が演じてます。ここのくだりはすっかりコントです。

菰田の家に入り込んだ公介は、源三郎の妻・千代子(小畑通子)のみならずいとこ(だったっけ?)の静子(賀川雪絵)とも情を通じていた。しばらくして、家の中にせむし男が現れたり奇妙なことが起るようになり千代子が何者かに毒殺される。
島の秘密に関係があると見た公介は蛭川、静子、下男の新吉を伴い島に渡る。
そこでは父・丈五郎が奇形人間の王国を作ろうとしており、健常な人間さえ外科手術を施し奇形人間にしていた。(現れる方々は土方巽暗黒舞踏団のみなさん。大活躍です。「ザイン」思い出した…)
「わしはこの島を奇形人間の楽園にするのだ!正常な人間が奇形人間に服従するのだ!かたわの気持ちはかたわにしかわからん!」
丈五郎から、公介の夢に見たものが何だったのかが明かされる。
源三郎と公介は双子の兄弟だった。丈五郎の夢をかなえるため、公介を東京の知人のもとに預けこの島で奇形人間を作るために外科医にする計画だったのだ。夢に見た美少女は秀子(由美てる子二役)。そして醜男は彼女と人工的にシャム双生児にされた猛(近藤正臣!)だった。公介はこの島で過ごしていた時期があった。その光景を覚えていたのだ。
拳銃を向け、丈五郎は公介に己の野望へ協力を求める。その条件として、公介は秀子を切り離す手術をし、秀子と結ばれる。しかし、しばらくして丈五郎は驚くべき事実を告げる。彼はこの島に妻のときを監禁していた。林田(笈田敏夫だ…出番これだけかい!)との不実に怒った丈五郎は林田ともども島の洞穴に妻を閉じ込め林田を死なせ、傴倭男にときを与え初代と秀子を生ませていたのだ。結ばれた相手は異母の妹だった!近親相姦しちゃった事実を知り愕然とする公介。
丈五郎は公介も蛭川も静子も、洞穴に閉じ込めようとするが、そこに下男の新吉が現れる。
彼は実は私立探偵、明智小五郎(大木実)だったのだ。明智によれば、今回の一連の事件はみな蛭川の所業。
菰田の財産を狙っていた蛭川の悪事を知り丈五郎は激怒。静子ともども地底湖に落とし込み、逃げようとする。追う小五郎。ときを鎖から放ち、秀子と公介も後を追う。
ときを外に出し、公介は彼女に手紙を託す.。(いつのまに書いたの?)
丈五郎を追い詰め、「ときさんはもう十分に責めを負っている」と説得する小五郎。
ときも丈五郎に謝罪し、恨みはないと丈五郎を許す。丈五郎は改悛し、自らを恥じ舌を噛み切る。公介に託された手紙には、公介と秀子は許されない愛を貫くため花火と共に星になると記されていた(確か、そんな文面だった)
いきなり上がる花火。公介と秀子は、星になった…
「おかあさーーーん」

このエンディングを見て、どうすれば笑わないで済むのだ?
ううむ、どう説明したらいいのだ。

主役はやっぱり、吉田輝雄。石井映画の良心にして、なぜか定点。
石井作品ではだいたいこの人以外はみんな変な奴なんだよな。
土方巽は、正直言ってかっこいいです。この舞踏団の映像はアングラぽくてなんだか浮いてるんだけど、この映像は大変珍しいので見る価値がある。
女の裸いっぱいで(^_^;)
最後の土方カットは途中で露出が思い切り変わっているから、自主映画みたいで地味にウケる。日暮れで翌日取り直しがバレバレなんだもん。
フィルムは富士フィルムだし、発色がいまいちなのでなおさらです。

由利徹と大泉滉と上田吉二郎のコント風のくだりはなんなんだ。
おどろおどろしい物語の中でこれはウケる。一服の清涼剤の欽ちゃん走り。
小池朝雄は、なーんでかこんな普通っぽい、変な人の役が結構ある。
ものすごい異常性格だよ、蛭川って。それを淡々とこなす小池朝雄。
不思議な人だ。後に刑事コロンボの声でメジャーになっても、彼のスタンスはあまり変わらなかったらしくTV版の「三つ首塔」なんかでも変な役だった。
東映は元満映のスタッフが移ってきた会社なのだそうで、この満映はとにかく「なんでもあり」の間口の広さが売り物だった。こういう「見世物映画」を楽しむ素養が十分にあった会社だから、その空気を持ってきたスタッフにより東映は「エログロナンセンス」映画を作る下地が十分あった制作会社だったそうな。
作り手に勢いがあるもんだから、微妙につながらないところもたいして気にならない。初代に会うときに1晩で公介がひげ面になったり、金もないはずなのに裏日本を旅したり、島の花火って何しにあるのかとかなんて不思議がいろいろあるけど気にしちゃいけない。
映画を楽しむのに、理屈はいらないぞ。実はこの作品、なにげに乱歩の世界をかなりいい感じで映像化してると思う。曲馬団、レビュー、畸形、狂気、エロといった要素をうまく詰め込んでいる感じ。この爆笑の結末をさっぴいても、乱歩の世界の再現はかなり成功しているぞ。

にしても、テーマが「刑事」なら石井輝男の地帯シリーズでもやりゃあ良いと思うんだけど。後説で高橋克彦いわく、
「いやあ、家内の言ったとおりです。あの花火はねえだろ」
だって。
…ま、何はともあれこんだけのカルト作、見せてくれてありがとう。

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October 13, 2005

ダイアモンドの輝きに似て

 いかんせん、下世話なゴシップ系が好きな自分としてはいまだに
「JFKはなぜ殺されたのか?弟のロバートもなぜ暗殺されたのか?」
なーんてことを永遠の疑問にしています。この二人が共通して関係した
女性が一人、本名ノーマ・ジーン・モーテンセン。
マリリン・モンローの名前で知られる女優。
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水野晴郎が20世紀フォックス極東で宣伝を担当していたのは有名な話
だけど、彼がなんでフォックスに入りたがったのか本人がFMで語っていた
ところによると
「20世紀フォックスにはマリリン・モンローがいましたから」(水野晴郎談)
個人的には、リタ・ヘイワースとかローレン・バコールとかいるけどなぁ、
とは思うけど、まあ個人の好みですから。

昔、うちの親父は結構NHKばかり見ていたのだけれどそのせいか
年末年始の、番組編成に苦労する頃になるとよくやっていた映画として
覚えているのが2本、「シェルブールの雨傘」と「バス停留所」だった。
NHKだとこれらがよくかかったのだ。「バス停留所」には当然、マリリンが
出ているけど、何回か見ているはずなのにさっぱり物語は思い出せない。
と、つらつら記していたら、東京から越してきた際に持って帰ってきた荷物を
何とかせいということになり、とりあえず本を整理してたらアンソニー・
サマーズの「マリリン・モンローの真実」の文庫本が出てきた。これ、買って
しばらくずーっと読んでたな。
…やっぱ面白い。時間軸に沿ってマリリンの波乱の人生を描いておるが
話があちこちに行くので、読みやすい部類ではないけれど新しい事実(当時)
がいっぱいの本だった。彼女の最後の日に、誰がその傍らにいたのか?
この後もモンローの伝記本は、ぽつぽつ新刊が出てる。

改めて読んでみると、この人の破滅的人生がどんなんだったか解った。
1926年6月1日誕生。
母親はグラディス・モンロー(ベイカー)、父親はエドワード・モーテンセン。
ベイカー性はマリリン本人はほとんど使わなかったらしい。
彼女が生まれたときには、父はもう居なかった。出産後、母親は精神に
異常をきたし彼女は里子に出されたりして幼少期を過ごす。家系が、
こういう精神異常が発生しやすい血筋だったらしい。

1942年、16歳で高校を中退し結婚。最初の夫はジム・ドハティ。
18歳のとき工場で働いているところをスカウトされ、モデルの仕事を始める。
売れっ子になってきたところで、女優になることを夢見るようになる。
1946年、20歳で離婚。ハリウッドで一人暮らしを始める。20世紀フォックスと
1年契約を結び、女優マリリン・モンローとなる。
一度契約が解除され、コロンビアと契約後に再びフォックスに戻り、この人の
キャリアが輝きだす。皮肉屋のビリー・ワイルダーも「コメディエンヌとしては
絶品」と認めている。
でも、とにかく現場では扱いづらい人だったらしい。遅刻魔で、いつも不安そう
で何かにおびえていて、何か言われるとすぐ泣き出したりで、情緒不安定。
どんどんクスリに依存するようになり、とにかく誰かにそばにいて欲しくて
すぐに相手を思いっきり好きになり「からだのつながり」を持ってしまう。

しかしこの人は極端だけど、女の子って、どっかそういう部分があるかも。
その子のそういう部分を見た男の子が、彼女を守ってあげたい!と思うと
この感情はほとんど「恋」だ。マリリンの魅力は、そんな部分をくすぐる
キャラクターなのか?公的に三度の結婚と離婚。付き合った相手はもう、何人?
愛情に飢えて、とにかく自分に注目して欲しくて、結局自分が壊れた。
そういう人なんだな。何度か自殺未遂してるし。
でもやっぱ、若い頃のマリリンはかわいいぞ。

と、そんなことを最近思ってたら急に「マリリン・モンロー ダイアモンドBOX」
が欲しくなり、ヤフオクで買った。届いて、嬉しがってたらふと気づいた。
12枚組のボックスだけど、何かが足りない…?あ、予約者特典だ。
「ファイナル・デイズ」DVDが予約者特典でついているはず!と思ったら
予約した人しかもらえないのだな、これ。残念だと思ってたらとある古本
チェーンで13枚セット発見!悩んだ。
…結局、買いなおしました。この勉強は高くついてしまった。始めにゲット
したのはすぐ下取りに出したけど、買取が安すぎるぞ(T_T)

という訳で、がんばってマリリン出演作を見なくてはならない。
にしても、本の訳注に書いてあるようなアイテムはどこで見られるの?
ディマジオとの結婚のとき、彼女はディマジオに自分のヌード写真を
あげたそうだ。有名なカレンダーのヌード写真の、NG写真で彼女の
○○○とか×××が写っているものだそうだけど、見たいよう。←スケベ

結局、オイラもこんな風に彼女に関心を持っているわけです。
ダイアモンドのように、彼女の輝きは色あせないのですな。
ライ麦畑で彼女をつかまえてあげられるステディがいたら、マリリンも幸福に
なれたのかなぁ。

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October 09, 2005

未来世紀ブラジル

自分の場合、なぜなのか特に予備知識もないまま、「あ、これ面白そう」
と思って見に行った映画は、あまりハズレがない。
その昔、「バンデットQ」という映画の批評を新聞で見て、これのプロデューサー
がジョージ・ハリスンだってんで「どんな映画なんだろう?」と思って見に行った。
とてもよく出来たファンタジーで、オチもひねりがうまく効いてる、センスのいい
映画でしたが、その監督がテリー・ギリアムだった。

その後さらに時は流れオイラは大学生してた頃、「未来世紀ブラジル」が
公開された。見に行った友達は一様に「これは凄いぞ」と教えてくれたけれど、
結局劇場には見に行かずじまい。
後にビデオで見たけれど、確かに凄い映画だった。
物語は、まとめるのが面倒だぞ。
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舞台は、20世紀のどこかの国(冒頭にそう字幕が出るんだもん)政府が
ほとんど完全に国民を思想的にも管理している、統制国家。しかしそれゆえ
体制に反発する爆弾テロが起こるわけで、秘密警察がびしばし取り締まり。
主人公はその国の情報省記録局に勤務する、夢見がちな小心者サム・ラウリー
(ジョナサン・プライス)。昇進も栄達も望まない、平凡な男。
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情報剥奪省で、ある職員がハエをつぶしてそのハエがタイプライターにかんで
しまい、タトルを逮捕するはずが書類のタイプミスで平凡な靴職人の
バトルが処理される。上の階に住むトラック運転手のジル(キム・グライスト)は
抗議するが相手にはされない。カーツマン局長(イアン・ホルム)に後始末を
命じられたサムは、情報省の受付で夢に見た美女とそっくりのジルに出会う。
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夢の中の美女


サムの母親、アイダ(キャサリン・ヘルモンド 一瞬だけキム・グライスト二役)
は出世欲のない息子を裏から手を回して出世させようとする。
そんな中、サムのアパートのダクトが故障。セントラルサービスのみが合法にこの
修理を行えるけど、夜間はお断り。
そこへ非合法修理工タトル(ロバート・デニーロ)登場。ダクトを修理している中
来ないはずなのに来たセントラルサービスのスプール(ボブ・ホスキンス)は
サムに追い返され、捨て台詞と共に去る。修理を終え、闇に消えるタトル。
当局で追っていたのはこの男、ハリー・タトルだったのだ。
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バトルの家に出向いたサムは、ジルがそのすぐ上の階に住むことを知る。
ジルをさらに知るために情報剥奪局への昇進を承知するサム。さっそく
上司となるヘルプマン次官(ピーター・ヴォーン)に取り入る。
役所で旧友のジャック(マイケル・パリン=モンティパイソン一味の一人)に会った
サム。彼は拷問のプロ。この件のもみ消しのためジルの身柄の確保が必要だと
告げる。自分にまかせろとジルの元へ向かうサム。受付に居た彼女を連れ出し、
情報省の手から逃避行。だけど爆弾テロの混乱の中離れ離れになる二人。
何とか再会し愛し合うサムとジル。しかし、翌朝、情報局に逮捕される。
とうとう拷問を受けることになるサム。そこへ間一髪、タトルが仲間と共に
サムの救出に現れる。
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これまでのさまざまな出来事をみな、どこかへぶっ飛ばしながら、
やっとたどり着いたジルのトラックで田舎に逃げるサム…

それは幻影でしかなかった。
ジャックとヘルプマン次官がサムを見つめる。
「片付いたか」「ええ、片付きました」
壊れた人間となった、サムの姿。
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 えーい、とにかく、まとめるのが難儀な物語なのだ。
簡単にまとめると、管理社会にいる一人の男の悲劇になっちゃうけどひとつ
ひとつのエピソードがコミカルで、深刻になってない。記録局で仕事さぼって
みんなで映画見てたりするくだりとか、剥奪局に移動したサムの机の取り合い
とか、みんなおもしろおかしく描写している。
その分だけエンディングのカラッとした冷たい感覚が際立つのだな。
ここで描かれる世界の、不思議なレトロ感満点の小道具は最高。靴が帽子に
なっているファッションセンスも、見た当初はどえらい新鮮だった。
なんといっても、サムがタトルと脱出してからのラスト20分ほどの画面の
ドライブ感は何にもたとえられない。編集の妙です。
この映画、絶対に見て損はない、とオイラはいまだに思っている。
もともと、この映画の仮題は「1984年1/2」だそうで、オーウェルの有名な
「1984年」とフェリーニの「8 1/2」をかなり意識して構想が練られたものだと
いうふうに考えると、この映画の作品性は納得ができるかな、と思った。

テリー・ギリアムは、もともと有名にになったきっかけはあの「モンティ・パイソン」
に参加して切り貼りアニメこさえてたことだったから、てっきりイギリスの人だと
思ってたらミネソタの出身。でも、この人の不思議感覚はこのモンティ・パイソン
のおかげで磨かれたのではないかと思われる。不幸なのは、この変な男所帯
にいたせいか若い女優の使い方が上手じゃない、というとこか。
ここでのヒロイン、キム・グライストもわざわざ選んだ割には、そんなになぁ。
他のジル候補はジェイミー・リー・カーティス、レベッカ・デモーネイ、エレン・バーキン
、ロザンナ・アークエット、ケリー・マクギリス、ジョアンナ・パクラ、レア・ドーン・
チャン。それと、マドンナ…?ギリアムはバーキンが好みだったらしいけど。
このキム、現場でデニーロ並みの扱いを要求したとかで、かなり現場スタッフを
怒らせたらしい、と聞いている。ちなみにデニーロはジャックの役をやりたかった
らしいけど、説得されタトルの役に落ち着いたそうである。

この映画の公開に当たってのトラブルは有名。85年1月に試写の結果、北米
での配給権を持つユニバーサル首脳のウケが悪く親会社のMCA社長シド・
シャインバーグは短縮してハッピーエンドになる再編集を指示する。
このため北米公開が遅れ、業を煮やしてギリアムとミルチャン(この映画の
プロデューサー)は10月にヴァラエティ誌に広告を出す。(2月から各国では上映中)
この映画のいきさつが有名になり、ギリアムらはゲリラ的に試写を行う。
LA批評家協会会員向けに12月に試写をした結果、公開されてないのに最優秀
作品賞・脚本賞・監督賞の三冠をゲット。無視できなくなったユニバーサルは
ついにこの映画を一般公開した。この辺のいきさつはジャック・マシューズ「バトル・
オブ・ブラジル」に詳しく書かれている。邦訳はダゲレオ出版で、カバーが福山庸冶
だったのに驚いた。
個人的には、芝居の仕込みを手伝ってたらこの本を拾ったのをよく覚えている。
何度か読んで、一緒に拾った友達にあげたけど持ってりゃよかった。

クライテリオンのDVDにはこのときに作られたシャインバーグ版(別名、「愛はすべ
てに勝つ」版。94分)も収録されているそうで、見てみたいな、やっぱ。
次作の「バロン」もあっさり制作費を使い果たしたりしてトラブルとなり、前作
「ドンキホーテを殺した男」でも撮影6日目で製作中止という、トラブルの神。
だからって、たとえ雇われ監督でも「12モンキーズ」のギリアム節はすばらしい。
俳優の間で人気は高いようで、「彼の映画ならぜひ出演したい」と皆が言う。
男優はそりゃ、みんないい仕事してるもの。ジョナサン・プライスも適役だし、イアン
・ホルムが出てるのは「炎のランナー」知ってると嬉しいし、デニーロは相変わらず
ハズさないし、ボブ・ホスキンスも細かい役作りしてるのが解るし、とにかくみんな
楽しく演技してる、そんな感じがする。
おれもそりゃ、ギリアムの映画に出られるなら出たい。ギャラは足代だけでいい。
この人の映画は、そんな魅力があると思うのだ。…男には。
「12モンキーズ」見て、本当にそう思った。
最新作の「ブラザーズ・グリム」もぜひ見たいと思ってます。

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October 02, 2005

「死霊の盆踊り」への個人的考察

 今から20年ほど前、ニューヨークのプラザホテルにて「プラザ合意」なる
国際合議が採択された。参加していたのは先進主要国5カ国。
何の合意かというと、当時進んでいたドル高の為替相場に対して、日本、
ドイツ、フランス、イギリスの各国で協調介入をしドル高を是正することが
目的の合意で、ここから円高ドル安が一気に進行。バブル経済がやってくる
ことになる。(一応、経済学部卒)

 この結果とにかく、この頃の日本は金が余っていた。当時学生だった自分
にはさっぱり縁はなかったが、誰でも簡単に金が借りられるようになり
そこいらでいわゆる「パー券」が飛び交っていた。ジュリアナ東京が大ブレイクし
ワンレンボディコンの女が街にあふれた。これも俺には縁がなかった。
 当時おいらは笹塚に住んでいたけど、アパートに風呂はなく銭湯通い。
いまだ良く覚えてるのは、その途上で自損事故やったフェラーリテスタロッサが
収容作業中で、「うまくいかねぇなぁ、あはは」とカーキャリアのおっさん2名が
笑っていたこと。BMWの3シリーズが「六本木のカローラ」なんて言われて、
一足で2万円くらいのパンストが売れていた時代なのだもの。

ただ、金余りのせいでこの頃に発売された映像ソフトは、今となっては貴重品
ばかり。「九十九本目の生娘」とか「アイダホ・ポテト・ライブ」なんてビデオソフト
が、この頃に発売されてた。まだ、差別表現にも寛容だったし、あらゆる娯楽
が求められていたからこそのソフト。バブルはこの分野にも影響を強く残した
のであった。マニアックなソフトでも自由に買えるようになったのだ。

んで、「死霊の盆踊り」もちょうどこの頃に公開された。ときに1987年9月。
だいたい、「史上最低の映画」「映画史上もっともつまらない作品」なんて
キャッチがついていたのだが、これでかえって「それがどんなもんだか見て
みたい」という人たちが、実はあまりにも多かったのだ。
当時のオイラ、あまり金に余裕もなかったから「そんなの見てられねぇ」と
思ってたけど、実際には、関心があった。後にビデオ化されたけど、こう
なるとかえって手が出せない。レンタルだってあったのになぁ。
発売された「死霊の盆踊り」のビデオは、今となっては貴重品。だけど、
時代は流れとうとうDVD化された。映画秘宝では「快挙というべきか、暴挙と
いうべきか」と発売元のジェネオンを称えておった。
bonodori







内容については、…細かく言っても仕方ないんだよな。語りつくされてるし。
スリラー作家のボブが恋人のシャーリーと小説のインスピレーションを求めて
夜のドライブ。墓場に向かっていたけど帰ろうとしてたら、事故を起こす。
二人が気を失って倒れていたそばの墓場では夜の帝王が闇の女王に命じて、
死霊の女たちの宴を催していた。
捕まった二人は延々とその宴を見せつけられる…、ってかっこよくしとこ。

もともとの成り立ちは、アメリカではドライブインシアターという上映形式がある
わけで、これだと車に乗ったまんま友達同士でワーキャー盛り上がりながら
映画を見られる。スプラッタホラー映画などは、このシステムでこそ楽しく
見られるのだそうな。それと、製作当時の65年は悪名高いヘイズ・コードの
ためアメリカ映画では性描写はすっかり御法度。でも、ヌード映画の需要は
あったので、このねらい目二つ合せてこんな感じになったらしい。
でも、結局エド・ウッドの世界が展開してるぞ。(原作・脚本=エド・ウッド)
夜の帝王役はクリズウェルだし…。
DVDではとにかく、特典映像のA・Cスティーブン監督のインタビューと当時
配給元のギャガ(!)でこの映画のサブライセンス営業を担当した江戸木純氏の
書き下ろしライナーは価値のあるものだと思う。

バブルははじけ、時代は変わり人々にしょーもない映画を楽しむくらいの余裕
はできても、今度はしょーもない映画を持ってくるほどの社会的な余裕がない
時代になりました。オイラにはいまだ経済的な余裕はないし、買い込んだ
DVDのんびり見る時間もキビシイのが切ないなぁ。
結構フツーの人になったのに。
金がなくても時間のあった、若い頃が懐かしい。

これ、飛ばし飛ばしで結局きちんとは見てないですが、気長に見ます。ええ。

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