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August 21, 2005

ことばのちから

 たまたま、「妖怪人間ベム」にかかわるサイトをいろいろと眺めて
いたら、現在DVDソフトが発売されているのはいいけれど、なんと内容が
修正されていると知りかなり驚いた。
このアニメの製作は69年。リアルタイムで、熱心に見た覚えがあります。
人間になりたいと願う、3人の妖怪人間の物語。設定はよくできていたし
ストーリーは面白かった.もともと52回の放送予定が予算不足のため
半分の2クール・26回で終了になったが、熱心なファンの声に応えて2話
だけパート2が製作されている。どういった点が修正されているか、というと
あえてそのまま記すが、「キチガイ」とか「せむし男」とか「乞食」といった
言葉を問題にしているらしい。当時はそんなに気にはしなかったが。
「アパッチ野球軍」もこんな単語の連発。でも、これも面白かった。

個人的には、私は差別は許されないことだと思っている。
その当時は別に差別とか、そんな意識はないままその単語はあくまでも
その状態を表す独立した「記号」としてみんな使っていた言葉が、時間が
経って使っちゃだめということになる。というのはおかしいと思う。
むしろ、それは危険なのに現代はそんな危険な時代になりつつあるのかも。

自由に言葉を選んで使うことができない時代。

かつて「めっかち」「ちんば」が政見放送で使われて問題になったことが
あるけれど、古典落語などはこんな単語のオンパレード。「めくら」は
使えないもんで「めくら縞」なんて生地の名前も問題になる。生地に罪は
ないだろが。「バカチョン」もダメ!とされているけれど、この言葉の「バカ」
はともかく「チョン」は「、」のことだぞ。特定の民族を指す蔑称ではない。
「バカ」と同じような意味の言葉なのに、間違えられて「言ってはいけない
言葉」にされているのはおかしい。
公的な場所で特定の人々を蔑視する、邪悪な意図で使われる蔑称ならば
これは絶対に許されないと思うけれど、その意図がなくてもそれしか呼称
がないんじゃ、仕方ない部分はあると思う。むしろニュアンス的には表現が
難しくなるのでは?PC運動はギャグにしかならんよ。
私の父は若いときに事故にあい、右足に障害が残った。本人も家族も
特に深い考えはなく気楽に「びっこ」という言葉を使っていたし、周辺でも
気にはしていなかったような気がする。「差別」というものに変に神経質
なのは当事者でなく変な活動家のみなさんのようだ。「黒人差別をなくす
会」(どこが「会」だ!)なんかが典型。このご一家(会員は親子3人だけ)
のおかげで「ちびくろさんぼのおはなし」は絶版になり、カルピスの商標も
変更になったらしい。手塚治虫全集は一時入手困難になり、藤子不二雄
「ジャングル黒べえ」(これも面白かったけどなぁ)は闇に消された。
黒人のみなさんに感謝されたと言う話は聞かない。このご一家は純然たる
日本人だ。アフリカ系の帰化日本人でもなんでもない。
こういう活動に私は賛同するぞ。
確か、カルピスの商標をデザインしたのはドイツ人のデザイナーと聞いて
おります。差別的意図があったとは思えない。「ちびくろさんぼのおはなし」
の復刊は素直に歓迎しましょう。
メディアでも、矜持ってものを持とうよ。昔CMで桃井かおりが「バカが
多くて」とやったら抗議が来たとかで、文言が変えられたことがあるけど
抗議したのは3人だけだったとか。
映画でもきだみのる原作、渋谷実監督「気違い部落」という佳作があるけど
タイトル見ると絶対リバイバルできない。別に精神異常者の物語ではないのに。
勝手にレッテルを貼られた有名なのは、ウルトラセブン12話「遊星より愛をこめて」
スペル星人に小学館が「ひばく星人」とキャッチをつけたら、抗議が来た。
劇中、被爆者に対して触れる部分はまったくない。しかも作品上の問題でも
なんでもないのに現在「なかったこと」になっている。小学館のせい。

差別語を言い換えしたって意味に変わりはないのだから、あとは言葉にこめた
意思と受け取り方の問題になる。使うほうで意味のない優越感に必要もなく
ひたりたいのか、単なる個性の一つと取るかというところだし、受け取る側でも
蔑称とうけとるか気楽な表現とするか、そんな部分。これは状況次第。

うちの子がよく「ばかって言ったらじぶんがばか」と以前言ってました。しみじみ、
そうだよなぁと思う。

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