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July 13, 2005

緑色のドアの向こう側

 1957年1月12日付ビルボードトップ40の第2位に、ジム・ロウの
The Green Door という曲がランクインしている。前年にランク1位も
獲得していて、そのまま年を越えて長期ランクインしているのが時代を
感じるところだけど、自分みたく見境なく映画観てると「グリーンドア」と
いえば、いわゆる洋ピン。でも、この原題 Behind The Green Door は
おそらくこのジム・ロウのヒット曲をもじってるんだろうなあ。

 アメリカは、自由の国(な、らしい)なのだけれど映画の世界ではポルノ
と一般映画の世界はほどんど隔絶していて、一般のスターがハードコア
ポルノに出演することはないし(当たり前)、ポルノ映画のスターとかスタッフが
一般映画のメジャーになるような、アメリカンドリーム的展開もまずない。
自分的には、ポルノ出身のスタッフでさえも一般映画に転向できない、あるいは
転向しても評価されづらいというのがちょっと不思議。アメリカはチャンスの国
だろ?と思うのに。それでもやはり、ポルノ映画の市場はかなり大きいらしい。
先日、ウオーターゲート事件の情報提供者「ディープスロート」が判明し大
ニュースになったけど、この「ディープスロート」は1972年当時ヒットしたハード
コア映画 Deep Throat のもじり。主演はリンダ・ラヴレイス。というのは知ってた
けど、このウオーターゲート事件の件で思い出して見てみたくなった。で、観て
みた。字幕なしの本国版だったからちょっと大変だったけど、物語はえっちしても
あまり気持良くならないリンダが(役名もリンダ・ラヴレイス)ドクター(ハリー・
リームス 有名なポルノ男優)に相談したら喉の奥に感じる場所があるのが
判明。彼女はそれ以降豪快な口技に励むようになる、みたいなきわめて簡単な
もの。発射するときロケット発射とか花火のカットインが入るのがパロディぽくて
笑ってしまった。この映画、のべ6億ドルの興行収入に300万本のビデオ売上
だそうで、こりゃもう立派な大ヒット作品。おかげでスターになったリンダは
レッド・ツェッペリンのライブでMCなどしてたりする。
実際には当時結婚していたチャック・トレイナーに脅されてポルノに出演した
そうで、劇中披露する口技はボールペンとかから始めて喉の奥までものが
入ってもオエっとならないよう訓練したものだそうな。
1973年に離婚。彼は後に「グリーンドア」主演のマリリン・チェンバースと再婚。
なんかつながりうまくないけど、この「グリーンドア」も「ディープ・スロート」と共に
ポルノ映画の古典と呼ばれて久しいもの。マリリン・チェンバースはもともと
モデルの人で、アイボリーソープのキャラクターとして当時もはやそこそこ有名
だったのに、いきなり1972年に主演したハードコアが「グリーンドア」。
この映画を製作したミッチェル兄弟はもともと大学で自主映画製作に励み、
行き着いたところが「作品のインパクトを強くするにはセックスが一番」ということ
になったらしく、(作った映画で金儲けするにはポルノが手っ取り早い)自前で
劇場まで持つ。この「グリーンドア」の大ヒットで金持ちになった彼らは、後に
酒とクスリにハマり、ビデオの普及で凋落し、兄は弟を射殺までしちゃう。
この兄弟の物語を映画化したのが「キングオブポルノ」(ひでー邦題)
主演は実の兄弟、エミリオ・エステベスとチャーリー・シーン。まだ見てない。
今度見よう。
「ブギーナイツ」もこの時期のハードコア業界の裏話的物語で、長いけど佳作。
主人公のモデルになったジョン・ホームズは1981年に4人が殺された「ワンダー
ランド事件」の関与が疑われ、88年エイズで亡くなる。
このワンダーランド事件も映画のネタになってて、「ワンダーランド」の題名で
映画化されている。ジョン・ホームズ役はヴァル・キルマー。この事件をめぐる
「羅生門」みたいなお話だそうで、今度見てみたい。
リンダ・ラヴレイスは何本かハードコア出演の後、反ポルノ活動の先頭に立ち
2002年4月交通事故で亡くなる。「リンダ・ラヴレイスを大統領に」なんて
2ちゃん的ムーブメントもあったな。本名はリンダ・ボアマン。ボアマンって、
つまんないひと、ってことなんだけど。
マリリン・チェンバースは1984年に一度引退して
1999年またハードコア業界に復帰。無茶だ。現在、御年53歳です。
1977年にデビッド・クローネンバーグ作品「ラビッド」に主演もしている。
SFホラーらしいけど、これまた未見。
トレーシー・ローズなんかはハードコアから一般映画へ進出できた数少ない
ひとだけど、こういう濃い経歴のひとたちが一般の映画には更正しても
出られないのが実情。題材にはされるのにねぇ。
リンダ・ラヴレイスの伝記がコートニー・ラブ主演で映画化とのこと。
自分的にはハードコアの監督がたまたま撮った作品がアカデミー賞候補になる
なんて人情話的な物語を考えたけど、脚本にはできんなぁ。英語では。

ショウビズは、なんか複雑。緑色のドアの向こう側では楽しそうな歌が…。

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