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June 11, 2005

あなたをいつも夢に見て

こないだトイザらスに行ったら、今度「Mr.インクレディブル」がDVD化される
っていうことで盛んにPRされていたけれど自分的に気になったのが「シンデレラ」
のDVD。いつになったらDVDになるんだろうと思っていたから、こっちの方が
待ち遠しい。秋ということでしたが、具体的な発売日を知りたい今日この頃。
ディズニー長編アニメ第一作「白雪姫」と「眠れる森の美女」「シンデレラ」は
とにかく、自分的には「めったにお目にかかれない」ものだったので「白雪姫」も
「眠れる森の美女」もDVD出てすぐ買ったけど、「シンデレラ」はなぜ出ない?と
いいかげんあきらめていました。
だいたい、今と違っておいらが子供のころはビデオもなかったしディズニーのアニ
メはせいぜい「絵本」になった絵物語を読むだけだったから(テレビのディズニー
ランドなんて覚えてないぞ)ビデオになったというだけで感慨あったな。おまけの
いっぱいついたDVDはホントに欲しいと思います。
んでも、やっぱこの初期ディズニーお姫様もの3本は傑作だと思うけど、大人にな
った自分は絵のきれいさとか、そんなとこばかり気にしてる訳じゃないのだな。
 「白雪姫」はディズニー初の長編アニメで、恐ろしいほどの手間ひまかけて作ら
れているのがメイキング映像見て驚いたところ。それまでの「アニメ」のキャラ
でなく人間を絵にして動かすという作業がいかに大変だったかがよく解る。アニメ
の原画を結局一度俳優に演じさせて、それを撮影したフィルムから原画をおこして
いる部分がけっこうあるので結果的に動きがすごいリアル。アニメーターは解剖学
も勉強したそうな。ただ、ウォルト・ディズニーはあくまでもこの頃はプロデュー
サーであって、クリエーターとは違うみたい。あくまでも「経営者」(それもかなり
独善的な)だったらしい。「闇の王子ディズニー」読んで、なんとなくそういうことが
伝わってきた。たぶん、これはけっこう正しい評伝だと思うぞ。
「白雪姫」の製作以前、あのミッキーとかあるわけだけど
あれ自体彼本人がキャラクターを創作したとはいえないらしく、アブ・アイワーク
スという彼の相方のアニメーターがあのキャラクターをほとんど創ったそうな。
アイワークスは一度ディズニーから離れたのち、また彼の元で復職するけど関係は
良くないまま。とにかく、最高の品質のアニメーションを作りたかったウォルトは
スタッフを安い賃金で酷使したので組合運動に悩まされることになる。
「白雪姫」の大成功の後、「ピノキオ」「バンビ」「ファンタジア」と立て続けに製作
されたけど「ピノキオ」は金がかかりすぎ負債を抱え、そのまま「ファンタジア」
の製作に突入。そして、これが興行的にハズレ。芸術的になりすぎて、ひとり
よがりの領域に達したのか。
 ウォルト・ディズニーはもともと、出生届がアメリカにない。自身もそれを知り
実の母が誰なのかを知りたがっていたそうな。そこにつけこんだのがFBIで、
フーバー長官自らが「あなたにとって有益な情報を準備できるだろう」と
書簡を送り彼を協力者としている。自分探しが極端になっているのがこの人の
特徴で、直接製作した初期の長編にはだいぶ彼の内面が投影されていると
見るひとは多い。言われてみると確かに、これらの主人公は親との関係が
どこかで切れている。白雪姫の親の存在は示されないし、森で殺されそうに
なる。ピノキオはゼペット爺さんの子になりたがっている。
(ゼペット爺さんの奥さんの設定はディズニーにカットされた。いないのは変)
バンビは母親をなくし父ともはぐれる。ダンボは母親と離されてしまう。
加えてどれも、主人公を阻む困難はえらくおどろおどろしく描写されてる。
魔法使いの弟子が忍従を強いられているのは、ウォルトと父イライアスの関係の
そのままの表現だそうだし。
実際にFBIはスペインまで彼の母親捜しをしに人間を派遣している。(彼の母は
スペイン人の女性との話があったから)FBIから直接彼に文書で報告があった
のは「ファンタジア」がハズれ、組合がストライキをし、父が死んだ頃でウォルト
はもうすっかり滅入っていたらしい。「泣きっ面に蜂」みたいな状況を経て、彼は
創作的プロデューサーであることを辞めてしまう。報告の内容はどのようなもの
だったか、今はもうわからない。
「白雪姫」「バンビ」は戦後日本で公開されたけど、手塚治虫は戦時中にこの作品を
見ていたらしい。かの天才漫画家に激烈な影響を与えたのは、その絵柄を見れば
明らか。ディズニーと手塚治虫、嫉妬深いという点では共通している部分あり。
「ジャングル大帝」で盗作騒動が後に起こるとは誰が想像したでしょう。

ディズニーの新作はフルCGアニメーション。この世界ではすっかり後発。
劇場公開されるアメリカ製のアニメは、ほぼ全部フルCGのものになっちゃった。
だから「シンデレラ」「眠れる森の美女」の、ライブフィルムから原画をおこした
とても人間らしい動きの、とことんアナログなアニメーションはかえって新鮮に
見えてしまう。
みんなデジタルで作られる世界は、いいのかどうかおいらにはまだ答えが出せない。
感触としては、実はあまり良くないんじゃないかという程度の雰囲気だけど。

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