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June 01, 2005

ただのすけべのおはなし

ただのスケベと言ってしまえばそこまでですが…
基本的にはかくしごとはきらいなので、何か映画見ていても「ボカシ」とか「修正」
が入っているとそのことばかり気になってしまって、欲求不満になってどうにもならな
いことが多かった。って、つまりはその部分には「日本国内では写ってちゃいけない
もの」が写ってるからなんですが。

その昔「ブリキの太鼓」を見たときは、劇中主人公オスカルの母親が不倫相手(演
ずるはダニエル・オルブリスキ。「約束の土地」では劇中彼の○○○が思い切りし
ごかれている画がある)と密会して激しく愛を交わす(とりあえず格調高くしとく)
くだりがあって、この画面で母親の股間をわさわさと触る画があった。当然ボカシが
入ってた。当時まだ高校生の自分、これにえらく興奮して、
「ヨーロッパの俳優はすげぇ。あっこまで演るんだぁ」
と感心してました。

「クリスチーネF」でも首に注射するトコなんかあったのも見てたし。
実際、ポルノ映画が好きというわけでもなかったけどやはり根がスケベなのか、
えっちなくだりは大好きだった。んでも、大人になってそういう部分でナニをど
のようにするのかが判ってくると、そのスケベな部分への関心だけではなくて
「これは表現としてどうなのか」ということまで考えが及ぶようになりました。自分の
場合の遍歴をたどるとどうなるかってぇと…

「愛のコリーダ」はそれこそ、日本での公開当時大騒ぎになってたけど実際にどう
なのかは当時コドモだった私は知らなかったわけです。当時の映倫は厳しくて
とにかくばつばつ切り刻んでいたから、もう「コラージュ」になっていたそうだけど
(まずい部分を取り除き、上下とか左右にむりやり切り取った画面をつないでいた)
先日この北米版を見た。物語はもう、有名な阿部定事件のことだから置いといて
中身を見てみると確かに、藤竜也と松田瑛子はほんとに「やってた」。全部かどうか
はわからないけど。
けれど、当時の本公開版を完成させるとなると実はこの北米版と一部だけ国内版を
つながないといけない。「愛のコリーダ2000」でだいたいカットされた部分はカバー
されてるけど、一箇所だけ音声を消してる。北米版もふくめて児童ポルノ規制に一
部触れることになる部分があるせいなのだけど、当初日本で公開された版はここ
はそのままなのだな。映画としては、まさしくめらめらの情愛の物語。

「カリギュラ」も日本公開版は映倫でカットされまくり。当時は見られなかったから
初めて完全版の形で見たけど、これはあんまりきれいな感じがしなかった。
ティント・ブラスが監督だけど撮了後プロデューサーのペントハウス誌のオーナー、
ボブ・グッチオーネが自らハードコアの部分を撮り足しているのだそうで、言われ
てみると下品な部分とそうでない部分と見事に分かれる。おかげで出演した
ピーター・オトゥールは「この作品は見ないでほしい」とコメントして論議を呼んだ。
他に出演者はマルコム・マクダウェル、ヘレン・ミレン、ジョン・ギールグッドなどと
豪華だったのになぁ。確かに、出演者としては見てほしくないかも。出来あんま
よくないもの。

後に助平な私は敬愛する「最低映画館」で紹介されていた「邪淫の館・獣人」の
DVDを買ってみた。日本公開時は単なるエロ映画のひとつだったこれにもボカ
シが入ってる。だいたいのソフトは「ノーカット完全版」とは謳ってるけど「無修正
版」ではないのがミソ。監督のヴァレリアン・ボロズィックはとにかくキリスト教へ
の挑戦的な表現の作品に仕上げていて結構な野心作なんだけどなぁ、エロ
映画にされちゃかわいそう。ボカシが入るのは本編後半、(着ぐるみの)獣人が
登場して女を襲う昔話のくだり。襲われる女性のむにゃむにゃが写ってるから
です。この監督の「インモラル物語」も同じような観点でえっちな展開らしいけど
…見たいかも。

そして「ブギーナイツ」を見て、やはりボカシはいかんという思いを強くした。
ポール・トーマス・アンダーソン監督のこの作品は、実在のハードコアポルノ男優、
ジョン・ホームズをモデルにした主人公を通して70年代後半から80年代にかけて
のハードコアポルノ業界をめぐる人々の物語を描いている佳作なのだけど
(ヘザー・グラハムのボカシ入りヌードが見られる)最後のカットで入るボカシの
せいで物語の前提になっている部分がわかんなくなってしまう。ここで主人公の
でっかい一物が見えないと、この主人公が主人公である意味が説明できない。
無粋なボカシの典型。
そのくせ「ザ・セル」とか「アイズ・ワイド・シャット」で裸の死体のまずい部分は
特に隠されないのだから、なんか変。
他にもスケベ心から「グリーンドア」「本当に若い娘」とか、見ました。そのうちネタに
します。

結論。やはりボカシはいけない。テレビだと最近意味不明のボカシ・モザイクが
多いと思う。これもなんか、釈然としない。守られるべきものは何なのかしら。

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Comments

嗚呼、なんと甘美なる響き「ボカシ」。総統も「さよならミス・ワイコフ」などで苦悶いたしました。最近では「血と骨」のたけし師匠のエロシーンのボカシが巨大すぎて、笑ってしまったのは崔カントクの演出だったのか、と未だに悩んでおります。ちなみに「ブリキの太鼓」はオフクロとビデオを見ていて、例のシーンで「アラ、イヤだ」と笑われ、その瞬間、格調高い彼の映画が、「ウィークエンダー」の再現フィルム並に卑近なモノに成り下がった瞬間を総統は一生涯忘れないでしょう。

Posted by: ガットラー総統 | November 13, 2005 at 01:58 AM

総統、いらっしゃいませ。
「さよならミス・ワイコフ」小生も見ましたよ。公開当時に元旦早々、映画館行って見ました。
ボカシもさることながら、肝心のところに「合成」が入るのは、あれも修正だったのでしょうか。
いまだに謎です。

「ブリキの太鼓」…そのシチュエーションとその気持ち、なんかすごーく
よーくわかる気がします。ボカシって、
そういうもんですよね(笑)
「咳をしても一人」でないと、ねぇ。
ツボにハマってしまいました。

Posted by: 最上屋 | November 14, 2005 at 11:13 PM

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